1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

懐かしくも新鮮な長野放浪 03

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雪深くなる景色〜パセ&ポプは仲良し真っ白。懐かしい交差点

辺りは段々と雪の残る景色になってきた。

一茶記念館の前を通り、交差点で信号待ちをしていると、夫がここ来たことがあると言った。
わたしにも覚えがあった。

戸隠で行われたSPW(戸隠~野尻湖 TOP)に向うときのことだ。都内を出たのが15時を過ぎていて、すっかり暗くなってからの到着だった。そのときにこの交差点にある酒屋さんに寄ったのだ(確か…^^;)。
戸隠はその後も来ているし…。やはりいつも素通りしている辺りらしい。

道の駅しなの今回の目的地としていた黒姫に着く。
道の駅(しなの)を見つけたので、電車の駅ではなくそちらに向った。

駐車スペースはまるで会津のように雪が積もっている。
とにかくおなかが空いていた。もうおいしいお蕎麦を、なんていう贅沢なことは考えていられない。
パセ&ポプにはしばしシュラフとブランケットでもふもふしている車内で待っていてもらう。

とにかく空っぽのおなかを満たすことだけという食事をして脇目もふらずにパセ&ポプの素へ戻る。
なぜか駐車スペースの片隅だけ、雪が融けている。施設の入り口や利用しやすい場所はぐしゃぐしゃに汚れた雪があった。車が雪を載せてやって来て置いて行くのだろうか。
車を移動してパセ&ポプの気晴らしに少しだけ散歩をする。
せっかく雪の無い場所を選んだのに、雪の山の上に入って行く男子たち。夫もパセ&ポプもいたずらっこのようだ。

1101031443さて、今夜の宿泊場所はどこにしよう。
この辺りで温泉のある道の駅でいちばん近いのはぽかぽからんどみあさ。
とりあえず、そこを今晩の宿泊地にしよう。
次は夜ご飯の心配。お昼を食べたばかりだが、夕食のことも考えておかなければ食べはぐってしまう。
パセ&ポプのごはんはすでにコッヘルに移して自然解凍している。
これまで通ってきた辺りの様子から、大きな街にでなければ車内で食べられるような持ち帰りのお惣菜などは手に入らないだろう。
どんより低い位置に鈍色の雲が入り込んで来た。らちらちらと砂のような氷のかけらが落ちて来ている。風も吹いているから近くの樹に積もった雪が散らされて舞っているのだろうとも思ったが、どうやら降り出しているらしい。
黒姫はこのまま離脱、と夫は長野に向けて高速へとハンドルを切った。
えーっ、黒姫は辿り着いただけ!?
空模様と比例するようにわたしの雲行きも怪しくなった。

上信越道は目的地とは真逆の東に向ってどんどん進んでいる。
これでいいの?
上信越道はなぜか、野尻湖の西側から南に回り込みその後東へと突き進み、斑尾高原にタッチしてから千曲川に沿って南西に降りてゆく。どんな力が働いていたんだろう、などと考えてしまう。
いつも素通りしている黒姫近辺までせっかくきたのに、高速に乗ってしまってワープしてしまうのは面白くなかった。
下道でふらふらと動くのが好きなのだ。
もちろん夫もそうなのだが…。

では、もう高速を降りよう。少しは時間の節約ができたし、と降りたのは小布施ハイウエイオアシスPAだった。ここ知っている。以前もここから降りて、アップルラインを通っている(初DELICA D:5 車中泊の旅 13 長野)。ここははじめての町や道じゃない。

ナビで、ゴール地点へと伸びる直線が向っている方向にある山の上に雲がかかり始めた。その山を越えた向こう側に目的地はあるはず、とナビを見る。
ゴール地点あたりをスクロールしてみると、画面の端に「青木湖」がちらっと見えた。
「青木湖!?」
想像している方面と違う。

青木湖は、D5にしてすぐに車中泊の旅として立ち寄った方面だった。(初DELICA D:5 車中泊の旅 12 仁科三湖~白馬)
今回は出来るだけ、久しぶりか、訪れたことのない方面に行きたかったのに。

夫は山の上の黒い雲が気になっているようだった。

他に温泉があってP泊出来そうなところ…と探す。
なぜか、今さっきまでいたところの近くにある施設の情報が出てくる。今更戻るのは、あまりに哀しい。
距離も少し遠くなるし、今朝出発した場所に近いところになってしまうが、温泉があって快適に過ごせそうな道の駅を見つけた。
というか、他には見つけられなかった。

ベイシアを見つけて、今夜と明日の朝のごはんを調達する。

長野〜蔦木宿今夜の宿泊先まで100km以上ある。
少し空が頬を染めたように赤くなり始めた頃、更埴から長野自動車道にのった。
トンネルを抜けると、そこはもう暗闇だった。
そして、左手には、壁の向こう側に諏訪湖が広がっていた。おそらく間近に諏訪湖を囲む宝石のような灯りに気を取られないようにという目隠しなのだろう。高 速道からはほとんど見えないようになっていた。これまで中央道を東京方面に帰るときに諏訪湖を見たことがあったか、という話になった。見たことがあったよ うな気もするし、見えなかったような気もする。それほど曖昧で、自信のない記憶。

今朝高速を降りた諏訪南を過ぎ、次の小淵沢ICで降りる。
ほどなくして目指していた道の駅蔦木宿に到着した。

18時過ぎ、温泉目的の車が多いのだろう。それほど賑やかな雰囲気ではないが、駐車スペースは半分近く埋まっている。
ダウンのファスナーを首までしっかりしめないと辛いほど冷たい風が吹いていた。
パセ&ポプの散歩とごはんを温めを分担し、パセ&ポプの夕食を済ませてから、時間差で温泉に向う。

奥まった場所にある温泉施設「つたの湯」は、入って行くと、おばさんがひとり座っている受付があり、その隣に二台ある自動販売機でチケットを買うよ うになっていた。しかし、大人600円と書かれているボタンの脇にはバツ印がついていて買えないようになっている。もう一台で買うのか、と見てみるがやは りバツ印が付いている。
戸惑っていると、そのおばさんが杓子定規に声をかけて来た。
しかし、「ボタンを押してください」と言うだけで、助けにはなってくれない。
自動販売機をよく見れば昼間用と夜間用で値段が違うボタンが並んでいた。
どうやら、もう夜間料金になっていて、買えるのは販売機の下の方にある夜間料金のものだった。

おばさんに、出て来たチケットを渡す。
ロボットのように決まりきった台詞を話す。

女性用の赤いのれんをくぐって入ると、予想より狭い脱衣所が目の前にあった。
混んだら手狭な感じ。
キー付きのロッカーもあって「100円」の文字が目に入って来た。
100円を用意して、貴重品でもないけれど念のためロッカーに入れようと近くに行くと、「100円は要りません」と書かれていた。同じように間違いをしている人たちは、私以外にもいて、ホッとした。が、それは案内不足ってことよね。

内風呂、露天風呂、サウナやジャグジーがある、と事前に情報は仕入れていたのに、実際入って行くとどこにあるのかがまったくわからない造りになっていた。
常連の人たちはもうわかっているのだろうが、初めてでは無防備な姿でうろうろさせられるのは、辛い。
夫は露天風呂があることすらわからなかったそうだ。あることを事前に知らなければ、わたしも内風呂しか入れなかっただろう。

中の人は気付きにくい。
誰も教えてくれない。
人の振り見て我が振り直せ。
何をやっている立場でも、それは肝に銘じなければ、と思う。

さて髪をしっかり乾かさなければ、すぐに冷えて病院へ行くはめになってしまう。というのは、子どもの頃に長い髪だったわたしは旅先でしっかり髪が乾 いていなかったようで、風邪をひいてしまったことがある。頭ががんがんに痛くなって、早朝、まだ朝が白々と明けるような時間に旅館の人に紹介されたらしい 病院へと親と向った。古めかしい建物で床もぎしぎし音がしそうな医院には、その雰囲気によく似合う古めかしいおじいさん先生が白衣を着て診察してくれた。 そして、私はそれまでもそれからもあのとき以上に痛い注射はない、と思うほどの注射をされた。
だから、髪はきちんと乾かさなければいけない。あのおじいさん先生がまた現れそうだ。

持参している強力でイオンも出るドライヤーを片手に、鏡の前へ行く。
コンセントは五カ所くらい、洗面台脇の各所にあった。備え付けのドライヤーは二台。少ない気がするけど、みんな持参のものを使うのかな、と思っていた。
コンセントに自分のドライヤーを差し、さあ髪を乾かそうと思ったとき、並んでいる鏡の真ん中あたりに貼られている紙が目に入った。

「備え付け以外のドライヤーは使わないでください。ブレーカーが落ちることがあります」

えぇっ!
それはイヤだ。乾かしている最中に、突然真っ暗になって、きっとお風呂に入っている人たちだって悲鳴をあげる。
どたどたどたときっとスタッフの人たちが慌てて走る。
原因はどこだ!?
わたしのドライヤーを見つけて、犯人はこいつだ!ってみんなに白い目で見られる。

ぶるぶるぶるっ。
まだ水を十分含んでいる髪を振る。
慌ててコンセントからマイ・ドライヤーを抜いた。
図体が大きくて重い、備え付けのドライヤーをお借りする。腕が痛くなる。

時間をかけ、なんとか病院へはいかずに済むだろうくらいに髪を乾燥させて、車に戻る。たくさんのスペースを埋めていた車はずいぶんいなくなっていた。
ししたろはすでに車の中で、パセ&ポプとくつろいでいる。
道の駅に到着してから2時間ほどで、わたしたちものんびりする時間を迎えた。

スーパーで買って来た、特に何の特色もない夕食。
でも、わたしたちにとってはこれが素晴らしい夕餉。

パセリとポプラと一緒にべたべたと過ごせる空間、時間。

郷土料理です、と恭しく出される旅館での食事より、スーパーの特売マークがついているようなお惣菜の方が、パセ&ポプと過ごす時間をなにより大切にしたいと思うわたしたちにとっては、美味しく感じるのだ。というか、美味しいのよね。

昨日はパセリがへそ天だった。
今夜は、足下の場所を見つけて丸くなった。
ポプラは私の左側で、明け方へそ天になり、わたしのことを後ろ足で邪魔者扱いした。

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