アーカイブ

初DELICA D:5 車中泊の旅 09 神岡

車の屋根にはルーフボックスもカヌーも載っていないから、直接雨が屋根を叩く。
小さな雨音だけど、ひと月前まで乗っていたゴルフワゴンより屋根が広く、雨音は頭上広い範囲から聞こえてくる。
そう、雨音で目が覚めた。
天気予報どおりだった、と少しがっかりしながら、また夢の世界にひらりと舞い戻る。
5時半起床。

パセ&ポプにごはんを食べさせて、散歩。
運良くあまり雨に濡れずに散歩できる場所があった。こういう偶然にとても感謝する。

D5のフロントガラスは無駄に広い、と思う。
拭くだけでも大変な労力が必要になる。

設計者は自分で乗ったり掃除することを考えて作ったのだろうか。
道路の標識でも、自分で運転することがない人が設置したとしか思えないものが多々ある。そうでなければ意地の悪い人が設置しているのだろう。まあ、これは考えにくいけれど…。標識の影に隠すように設置してある標識とか、その土地に不案内な人に必要なことが書かれていない標識とか。

車の設計も直接安全につながるものなのだから、デザインよりも安全性を優先して欲しい。いくら安全を考えられてつくられた車でも、フロントガラスや窓にぶらぶらアクセサリーやお守りを付けていたり、テレビを見ていたりする人がいるのだから、せめて土台となる車は手を加えない限り安全であってほしい。

ししたろさんは窓拭きをして頭を打っていた。ごんっ。…笑っちゃいけない。

このフロントガラス、ワイパーの拭きにも問題がある。
今日は雨の日のドライブなので書いておこう。
ドライバーにはあまり支障がないようだから、まだ良いけれど、助手席に乗っているとこのワイパーの拭き具合にブーイングを出してしまう。目の前にワイパーが拭き集めた水をパシャッと掛け残していくのだ。そしてワイパーの跡が目線を遮る。ワイパーをかけるより始末に悪いの(T.T)。

雨はしとしと降り続けている。
7時に出発。
富山市に入る。

目の前を行ったり来たりするワイパーとワイパーの残していく軌跡、水。
その向こう側の景気を見るより、撥水処理のされたサイドウインドウから、渡る川や線路を眺める。

神通川、高山本線に挟まれた道を走る。
道路より一段高い位置に線路が敷かれている。
「電化されていないんだね」とししたろが言う。
確かに電線がない。
電化計画で1980年5月に着工されたらしいが、需要が減ったことや国鉄の財政のために中止されて、今も実現されていないそうだ。線がない方が景観にはいいと思うけど、どうなんでしょ。

8時半、道の駅細入に寄って朝食にすることにした。道の駅には珍しい類の鄙びた食堂のようなところもあった。座席に小学生が使うような座布団が縛り付けられていたので、少々引いてしまう。やはり道の駅に入るとき一番最初目に飛び込んできた、炭で焼かれている鮎に惹かれる。

冷たい雨の中、鮎が焼きあがるまで、炭に手をかざして暖を取り、鮎焼きのおじさんとおしゃべりをする。
鮎の写真を撮ってもいいかと許可を得る。ちょっと待っててこれも使うといいよ、と模型の鮎まで持ってきてくれた。中国・韓国人の方たちにこの模型が大うけだそうだ。
わざわざ持ってきてくれて「これで食べるところ写真撮るといいよ」と言われたので、ありがたく(?)ポーズをとるししたろ。

腰掛けて鮎を食べられる小さな小屋もあった。半畳ほどの畳のスペースと、椅子がある。小屋の中は、柴田理恵さんや鳩山由紀夫氏らとのツーショット写真が額に入れられて所狭しと飾ってある。おじさんは、見てって見てって、とわたしたちを案内し、誇らしげに写真の説明をしてくれた。

焼きあがった2匹を車に持ち帰る。
パセ&ポプがくんくん。
鮎と手持ちのもので朝食。炭火焼きたて鮎は抜群に美味しかった!!

カヌーを載せていないのに、なぜか水辺巡りをしてしまう。
地図上に見つけた小さな湖。
そこに行くには林道と有料道があった。

もちろん、林道を行く。錆だらけの自動販売機と、ほんの少し傾いて自販機に寄り添っているバス停。そのバス停名は「土」。
沢をドライバー側の下に見ながら登る。

ところどころに車が止まっていた。この雨の中徒歩で下の沢まで降りていって釣りをしているらしい。
新緑の木々に囲まれて民家が数件現れた。

この辺りは合併で飛騨市になり、古い町名を残した住所になっているようだ。
鮎焼きのおじさんも合併のことを苦々しく語っていた。

カーンカーンカンと作業しているらしい音が、集落のどこからか、雨のそぼ降る中に響いてきた。

20分ほど走ると、冷たい雨をさらに冷たく感じさせる「通行止め」と書かれた看板が待っていた。
Uターンして戻る。


川へと伸びる道があったので、ハンドルを切るししたろさん。
D5になって、これまでの鬱憤を晴らしたいらしく、林道や小道を見つけると目が輝いている。

途中まで入って行き、車から降りる。
川面から1-2メートル高い小さなスペースがあった。野営している跡もあった。

ここにテントを立てて、タープはこっち。十分な広さがある。
雨の音と混ざってよくわからないけれど、川の音は結構響くかもしれない。
野営地候補としてナビに登録した。
いったいいつ来られるのだろう(苦笑)。

もちろん湖に向かうドライブはまだ続いていて、もう一方の手段である有料道路に向かう。

前方霞んだ風景の中にもくもくとした煙が何本も立ち昇っている。
あまり歓迎できない景色。胸が苦しくなるような雰囲気だった。

神岡。

線路が通っている。
神岡鉄道。
確か廃線になったはず。ししたろさんと聞きかじったはずのニュースを思い出した。

神岡鉱山駅入り口。不気味に感じてしまうのはなぜ。

橋を渡ると目の前に鉱山が立ちはだかるようにそびえていた。

神岡鉱山、イタイイタイ病の原因となったところ。
イタイイタイ病というのは布団をかけただけでも骨折するといわれたくらい骨が脆くなってしまうそうだ。
今でもまだこの鉱山が使われているとはしらなかった。

そして、その横に、どーんと大きな看板が!
なにやら怪しげな、なんか聞いたことがあるようなないような…、『スーパーカミオカンデ』東京大学宇宙線研究所神岡地下観測所。
頭の片隅に小さな棘を刺したまま帰ってきた。
棘を抜くべく、調べると、あのときの足元、神岡鉱山の地下1000メートルに、世界最大のニュートリノ観測装置があったのだった。なんだか今思い出しても足の裏がむずむずする気がする(笑)。そして、思い出せなかったことに地団太踏む。
とっても面白そう>>>>>スーパーカミオカンデのサイト ゆっくり見たいので、忘れないようにリンク(^^)/

坂を登り、高度を上げて行くと、風景ががらっと変わって静かな集落が現れた。
スキーを担いでいる人がいた!とししたろさんが言う。わたしの視界には歩いている人の姿がかすかにしか入らなかったので、担いでいたものがスキーかなにかわからなかった。スキー?まさか~、と返す。

また道を塞ぐようにA型バリケード(今回始めてこういう名前だと知った!)が置かれていて、『冬季通行止め』と書かれていた。
「冬季」っていつのことよねぇ、などと言いながら、脇を問題なく通過できるような配置になっていたので、A型バリケードの右側から通っていく。

上り坂が続き、道の脇には雪の塊が現れはじめた。
目の前に広がり始めた山々も未だ冬の装いで、わたしたちを囲んでいる。
もしかして、今も冬季なの?




facebook comments:

Leave a Reply

 

 

 

CAPTCHA