1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

中国、近畿、四国もちらっと放浪旅 06 日原~津和野~美都

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日原の朝ごはん撤収のんびりと起床。
私たち以外は連休最終日の明日まで滞在かと思ったら、ロッジも含めてみんな撤収作業をしていた。
貸切になるならもう一泊する?
しかし、そろそろ折り返し時期・地点だから、ここで停滞するのはどうだろう、とみんな誰もいなくなったキャンプ場を10時過ぎに出発する。

天文台と日原津和野へここまで来たのだし、一応津和野へ行ってみましょ。
天文台に立ち寄ってから山を下りる。
前方の新緑の山に囲まれた一部に、真っ赤な絨毯が広がっている。近づくと、その上を横断する鯉のぼりが揺れていた。
このあたりの家々の屋根に載る石州瓦の赤よりももっと濃く、もっと密集している。ツツジのようだったけれど、あまりにも鮮やかでわたしの知っているツツジとはずいぶん違った。クルメツツジという種類らしい。
9号線から津和野駅へと入るつもりだったのに、道を見逃してしまった。町へ9号線から入るには2箇所しか道がない。もう一箇所を逃すと、きっと縁がなかったのね、とわたしたちはそのまま津和野はスルーしてしまいそう。

津和野戻るように右折して226号線に入っていく道がその一箇所だった。見逃すことなくことはなかった。そこには大鳥居が聳え立っている。Uターンするように津和野に続く道に入り、その大鳥居をくぐる。
遠くに日本五大稲荷のひとつ、商売繁盛、開運厄除の神といわれる太皷谷稲成神社が見える。緩やかに上っているように見える参道も見えた。しかし、参道は駐車場のようだ。車がびっしり詰まっている。
津和野川を渡る鉄橋の橋脚は石造り。
車を進めると真新しい石畳と「らしく」造られた店構えの通りへと入っていった。ぞろぞろと歩いては店に吸い込まれていく観光客。
映画のセットのような町にはどうも馴染めない。素通りしてとりあえず駅へ向かう。駅前には運動会の貴賓席のようなテントが立っていた。観光用パンフレットを配っているようだ。
貰いに行くと「どこから?」と聞かれた。
「千葉から」と応えると、「おぉ、遠くから」と両隣、後ろにいる人たちが顔をあげて珍しいものでも見るようにこちらに視線を向けた。そこまで驚かなくても、と数歩引いてしまう。
今日は朝から夫の体調が優れず、悪化していた。
運転が辛そうだ。
運転を交代しようといっても、まだ大丈夫と言う。
昨日のキャンプ場に戻るか、町に出て病院に行くか、薬を買うか、という選択。
JAFの医療相談に電話して相談してみた。
夫は、町に出て薬を買うことしたらしい。
益田市街へと向かう。

益田から美都へ今晩の食事と薬を買い、早々に今晩の宿泊候補地へ車を走らせる。

温泉もあるという道の駅サンエイトが今夜の候補。本当にその道の駅があるのか、そして温泉があるのかどうか電話をして確認した。去年、暗くなってから到着した道の駅が、すでになくなっていて呆然とした経験がある(九州・四国 ぐるっと4221.4kmの旅 26 (東洋町~菩提寺))。しかも温泉があると書かれていたのに、足湯だけだった。もちろん、足湯さえ閉鎖されていたけれど…。その経験から、時間や体力等々に余裕がないときは、事前に確認するようにしている。

しかし、到着して唖然とした。

なんということだろう。坂の途中にある道の駅だからか、駐車スペースはほとんどがゆるやかに傾斜している。
この傾斜で車中泊するのはとても辛い。
しかも、温泉があるからここに来たのに、温泉がどこにも見当たらない。
電話で確認したとき、歩いてもいけますが、温泉にも駐車場があります、と強く言われたことを思い出した。閑散としている道の駅で温泉の場所を尋ねた。道の駅から500mほど下ったところらしい。
道の駅サンエイトまでお散歩車を出して温泉施設に向かう。湯元館という温泉があった。

キャンピングカーも1台停まっている。駐車場は広く、フラットだ。
お風呂を利用した後、ここで泊まってもいいかと訊ねると、快く許可してくれた。よかった。

これで安心して休むことが出来る。ここの温泉は夜の10時まで開いているので、お風呂に入るのも慌てる必要はない。
パセ&ポプの散歩と地酒購入のために道の駅までふらふら、のんびりと歩いていく。のどかだ。

湯元館の駐車場に戻ると、夫はここで何箇所も虫に刺された。身体が弱っていると虫にも狙われやすいのか、この後しばらく痒みと腫れに悩まされることになった。わたしは無傷。そういえば虫に刺されるのは夫が多い。わたしやパセ&ポプの分まで引き受けてくれているのかもしれない。とりあえず感謝しておこう(笑。

虫には刺されたが、温泉にゆっくり浸かり、早目に寝れば少しは夫の体調も回復するかもしれない。

美都温泉の夜温泉から出てきてのんびりしていると、駐車場に停まっていた車にレストランからいくつかの袋に入れたなにかが運ばれていった。もしやテイクアウト?
温泉の隣には小さな和食レストランがあり、温泉を出た家族連れなどで賑わっている。夫は興味津々だった。体調は胃に関係ないようで、食欲はあるようだ。
聞きに行くと、カツ丼、親子丼、天丼などの丼ものはお持ち帰りできるとのこと。夫は俄然元気になってカツ丼を頼んだ。
ほどなくして熱々のカツ丼が運ばれてきた。

パセ&ポプを車に残して、食事に出るというのは出来る限りしないようにしているので、ファーストフードではなく、きちんとした食事を出すお店で出来立てほかほかのテイクアウトができるのはとても嬉しい。

わたしやパセ&ポプの食事がどんなものだったのか、わからない。食べかけのお寿司しか写真がなかった。
ここの温泉施設にどんなお風呂があり、どんなお湯だったかもすっかり忘れている。

わたしも余裕がなかったのかもしれない。
夫が回復しなかったら、ここから千葉までわたしがひとりで運転しなければならない。夫が早めに休んだ後も、ひとりで運転して帰るスケジュールとルートが頭の中でぐるぐる渦巻いていた。

とりあえずは明日のルート、と地図を眺めていくつか候補ルートを作った。夫ならきっとこの細い道を行くな、という道は避け、街も避け、ルートを選ぶ。そういえばわたしはルート作成が結構好きだったのだ。今回の旅には小さな携帯ナビも持ってきていた。結局ツーリングマップと道の駅の地図だけでルートを作ってしまったけれど…。
10時過ぎまで、駐車場にはずっとBGMが流れていた。
覚悟すると、気は楽になり、旅自体もまた違った面が見えてきて、ますます楽しくもなってきた。

夫の体調が良くなっていることを祈りつつ…わたしもルートを完成させたので休むことにする。
そうそう、キャンピングカーは暗くなる前に移動していって、今夜ここに泊まっているのは我が家だけになっていた。

***

2010年5月4日のルート
2010年5月4日のルート
だいたい100km
2010年5月4日


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