1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

福島 ふらふら車中泊 03

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宿泊候補地に到着した。

10台ほど停まればいっぱいの駐車場。
頂上まで歩いてのぼると富士山が遠くに見えるという展望台もある。



まずはパセ&ポプと展望台へ。




案の定、ポプラは階段が登れず抱っこで上がり、一番上に着くと「おりょせ~っ」とわがままを言う。

雲がかかっていて富士山の姿は見えなかったけれど、360度高いものがない風景を眺める。ほんのり赤く紅葉をはじめている木々がちらほらあった。
そして、なぜか階段の下りも抱っこをせがんだポプラ。

広場にはバーベキュー用の炉もあって、何組かがデイキャンを楽しんでいた。
広場にある看板には、奥にも駐車場や炊事場、トイレがあると描かれていたので、ししたろさんが探りに行った。

「あったよ~。行ってみよう」ししたろさんが戻ってきた。
ししたろさんがパセ&ポプを連れ、人がほとんど通っていない草ぼうぼうの小道を下っていく。
おっと、その前に念のためもう一度ミントスプレーを数回振り掛けた。草の多いところに行くときは再度ミントをつけるようにしている。
しかし、気をつけなければいけないことは他にもあったことにこのとき気付いていなかった。

下りきったところに古いトイレと、立ち木が根元から倒れ掛かって壊れている炊事場があった。
トイレ見てみようか、とわたしが恐る恐るトイレに近づくと…

「あ゛ーっ!!!」とししたろさんの叫び声。
「な、なによ、驚くじゃないの」

「あ、あ、あ…」とわけわからないししたろさんの言葉。
とりあえず向かおうとしていたトイレとか、わたしに異常があることを知らせる叫びではなさそうなので、ししたろさんの方に戻って行く。

「パセ&ポプがぁ~」
まだなんのことかわからない。
パセ&ポプがどうしたの?
パセ&ポプに近づいていく。ししたろさんの足元にいるパセ&ポプはにこにこ笑顔でしっぽもぷりぷり振っている。

パセ&ポプまで3メートルくらいになったとき、目をこすった。
2メートルくらいになって、目を疑った。
1メートルになって…

「ぅわあ゛ーあ゛ーっ!!」



パセ&ポプは見事なブラック・グリーンのシュナになっていた。
ブラグリシュナ?
ミドシュナ?

小さな丸い緑色の種がパセ&ポプの表面を覆っている。
はじめてこの実にくっつかれたパセリを見たときは気を失いそうになった。
種というより、虫に取り付かれてしまったように見えるから。
頭ではわかってはいるけれど、それを目にして認識したとき、身体は違う反応をする。

鳥肌。

隙間なくパセ&ポプを覆ったにっくき緑の実、取ろうとしたけれどちょっとやそっとで取れるわけがない。それはもう経験しているから痛いほどわかっている。そしてパセ&ポプは取られるときにひっぱられて痛いだろう。
いいことなんてない。

植物にミントスプレーはまったく効きませんから…。

とにかく手で取るより、ブラシの方がまだ取り易いので、車に戻ることにする。
珍しいグリーンブラック・シュナのお通りだ。
広場でバーベキューしている人たちが見たら、きっとぎょっとするだろう。

駐車場に戻って、空いていることをいいことにドッグベッドを出して腰を据えて実をとることにした。
きっと傍からはこんなところでトリミングしていると思われたかもしれない。
それでも、毛が抜けたり毛を捨てたりしているわけではないから、理解してもらっていたのだろうか。スリッカーブラシでも、テリアブラシでも、コームでも、泣きたくなるくらい取れない。泣きたいのはパセリだったと思うけれど。そう、こういうときポプラはもう観念しちゃうのかされるがままだけど、パセリは抵抗してしまう。しかもパセリの毛は細くて柔らかいので絡まりやすいから厄介で実が実を呼んで、絡まった毛はまた実を呼んで、どうにもならなくなってしまう。仕方ないので最後はハサミで切ることにした。ポプラはストリッピングなんてしていないのにしたかのような毛質らしく、意外と実も取れやすいので1時間ほどで98パーセントは取ることが出来た。一方ハサミで対処したパセリの方は1時間経っても80パーセントくらいかな。お互い疲れたのでやめることにした。後から気付いたけれど、実が乾いてから取った方が効率はいい。気持ち悪い時間は長くなるけれど…。

夕食の買出しに行くことにする。
スーパーは10km先。
15分ほどで行けてしまうということがすごい。
寒くなりそうなときのお手軽ソトゴハンは「おでん」が定番の我が家。美味しそうなつみれは多めに買う。それからこれまたわたしの好きなカツオのお刺身。ししたろさんは天丼。
雨になるかもしれない翌朝のために、火を使わずに食べられるものを買う。パセ&ポプも同様に火を使わないごはん。野菜ジュースも忘れずに。
車の中には数日なら余裕で食べられるくらいの非常食がはいっている。しかし、非常食なので、こういうときになかなか使わない。

10km、来た道を戻る。



この間にバーベキューをしていた人たちはみんな帰っていた。
広場は誰もいないし、半径2km以内にも人はいないはず。なので、パセ&ポプを放牧。
今回はよろこんで走り回っていた。下に画像載せたけど、笑顔がわかってもらえるかしら?(^^)
しかし、バーベキューの人たちがこぼしてしまったのか、トン汁らしきものが散乱していた。
少しでも処理していけばいいのに、具もそのまま。




明日は天気が崩れるという予報だった。
標高800mほどの広場にも雲がかかりはじめて、冷えてきた。

車のリヤドアを開けて、ランタンを吊るし、その下にメインラウンジャーとUFミニテーブルを出して、今夜のくつろぎスペースを作ってくれた。そういえばバイヤーのローテーブルとか外に持ち出したことがない。あのテーブル半分の大きさならいいのになぁ(^^ゞ

まずはパセ&ポプのごはんを温める。

そして、おでんを温めながら、カツオをつまみ、日本酒をちびちび。

夕方の町のアナウンスなのか屋外放送がどこかで流れているらしい。
「……をお知らせ、をおしらせ、ヲオシラセ…します、します、シマス」
あちこちこだましてしまって何を言っているかわからない。

パセ&ポプはごはんを食べたら、もう走り回ったし、あちこちひっぱられて疲れたのかすうすう寝てしまった。

雲が出てしまって星なんて見えないだろうと思っていた空を見上げてみると、驚くことに星がちりばめられている。

星空の下、ヘッドライトで読書。

ラジオで明日は午後から雨が降ると言っていた。お昼までは晴れていると…。
しかし、星が見えていた空はまた雲が広がり、わたしたちのいる場所も白くなってきた。
すべて片付けて、といっても椅子とテーブルくらいしかないけれど、車に入る。

車の中で、宴会の続き。
パセ&ポプは2-3列目のベッドのいちばん寝心地のいい場所を陣取っている。
わたしたちの寝場所はあるのだろうか。

最前列から後ろに移動し、パセ&ポプの隙間でごろごろしながら本を読む。
パセ&ポプの寝息を側で聞いているとこちらまで眠くなる。
ししたろさんにお先に失礼して夢の中へ。

ふと目が覚めると、ラジオがひとりでしゃべっていて、ヘッドライトで作っているあかりがついていた。ししたろさんはメガネをかけたまま気持ち良さそうに寝ている。
うーん、学習していない…。

3時半頃、ずっと遠くで雷が鳴っている音が聞こえてきた。
雨もぱらぱら降っている。うとうとしていると、大粒の雨が車を叩き始めた。
うそつき…と思いながらまた眠る。

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