1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

九州・四国 ぐるっと4221.4kmの旅 26 (東洋町~菩提寺)

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太平洋

5分ほどで、真正面に海が出た。海につきあたり、土佐東街道へと左折する。
うわぁ! 思わず声をあげてしまうほど濃い海の色。
四国の海ってこんなきれいだった!?
ぐるっと日本を一周した船旅で、いちばん綺麗で記憶に残ったのは隠岐だった。四国の海はまったく綺麗だという記憶がなかったけれど、今見ている海は感動する海だ。また隠岐を訪れたら感動はしなくなってしまうのかもしれないれけど…。たくさんのサーファーが、紺碧の海を揺らす白い波と戯れている。


房総の海で遊んでいる人たちに伝えたい、四国いいよ~って。もう知っていると思うけれど…。B&Gという看板があちこちで目に付いた。サーファーが大勢集まっているようだからサーファー向けの施設かなにかだろうか。Boys & Girlsの略じゃあないよね。
ブルーシー & グリーン財団? うーん、ちょっと違う気がする。

白浜海水浴場。ここにも白浜があった。日本国中いろんなところに白浜はありそうだ。

竹ヶ島へ時間は13時45分。まだお昼を食べていない。どうせなら綺麗な景色を見ながら食べようと走り続けていた。
55号線を走っていると、トンネルを入る前に竹ヶ島という島に渡れることに気付いた。が戻れない。トンネルを抜けてから、竹ヶ島方向に向きを変える。やっと食事にありつけそうだ。
とても静かで鄙びた道。
緑濃い島に、ぽかんと開けた漁港が出てきた。とてもマグロ漁の基地とは思えないほど静かでこじんまりしている。海上にはまわりの景色に不釣合いな色合いのピンクの観光船が浮かんでいた。車を停める場所はあまりない。運良く空いていたスペースは、おそらくダイビングを楽しんでいる人たちの車の間。ダイバーのものと思える車の下にはネコがいて、「なにかくれるの?」という目でこちらに視線を送ってきた。

竹ヶ島この竹ヶ島には、キャンプ場があったらしいが今は閉鎖されてしまったようだ。利用する人たちがいなかったのか、マナーが悪かったのか、どちらにしてもとても 残念に思う。
シーカヤックで海に出たら、青い空と蒼い海、緑の島に囲まれて、そばにはニコニコ笑顔のパセ&ポプがいて…、と想像しただけでもそれはそれは気持ちが良さそう。
そんなことを頭の中に描きながらお昼にする。
昨日買って残してきた、牡蠣フライなどのお惣菜に、珍しいこんにゃくや竹の子に挟んだごはん。これらもやはりカボスの香りがする。
観光船は乗せていた観光客数人を降ろしたらしい。一瞬、目の前で人口増加の光景を見せた。

ぬけがらポプラは、車脇でぶらぶらしている人間の抜け殻がとても気になる様子で、しかも怖いらしく、直視ではなく斜めにちらちらと、ウエットスーツを見ている。
カヌーのウエットとは違うからね。はじめて見る抜け殻はきっと不思議なのだろう。
対照的に、パセリはまったく眼中になかったようだけれど…。

宍喰温泉前宍喰温泉前14時、太平洋と道路を挟んだ位置にある道の駅「宍喰温泉」に寄る。
以前は温泉もあって「道の駅宿泊プラン」なるものがあったらしい。今では併設のホテル内の温泉が使えるらしいし、朝日も拝めるからP泊には良いかもしれない。ただ55号線の車の通りが気になるかな。
ここでもサーファーがいる。電線に並ぶすずめのように波のラインにぷかぷか浮かんでいる。平日なのに優雅ね~、と思ったらわたしたちもふらふらしているのだった。

道路を渡り、海を見にゆくパセ&ポプとししたろ。
ホプラは壁が邪魔で向こうが見えない、と立ち上がって塀の向こうの大海を覗き見していた。

「はゆのんみ ひねもつ のたいのたいかな by ぶそん」
あ、おしい。もう5月だよ。
じゃ、「なつのんみ ひねもつ のたいのたいかな  by ぽ」でつ
え~っ!? そりはやっぱり、ダメだと思うよ…。

女子トイレに行ったとき、洗面台の前に女性らしい人がひとり立っていた。がらがらだと思っていたけれどトイレの順番待ち?と中の様子をちらっと見ると、 やはりがらがら。わたしが入っていくと少し場所を移動した。なにか思案するようにうつむき加減で。子どもでもトイレに入っていてそれを待っているのかとも 考えたが、どのトイレも空いていた。
用を済ませて出て行くと、出口に移動していたらしく、私が出て行くのと入れ替えにまたトイレ内に移動し、佇んでいる。いったいなにをしているのだろう。
首をかしげながら、道の駅を出発。

海沿いの道55号線では、お遍路さんの姿をよく見かけた。
自転車でまわっている人は、つや光するくらい真っ黒になっていた。
20~30代と思える人たちが意外と多い。定年後という夫婦やひとりで歩く人たちの姿も多かった。20代の人たちの方が「なんでこんなこと始めちゃったのかな。 あぁ、あのとき勢いにまかせて言っちゃったんだ、ああ~」という顔をしているように見えるのは気のせいだろうか。どちらかと言えば、年配の人たちの方がす がすがしい表情で歩いているように見える。

このあたりの人たちはのんびりしているのか、車のスピードがかなり遅い。しかも譲るという習慣もないらしい。制限速度50kmの道を50km以下の40km程度で走られ、追い越すことも出来ず、かなりストレスが溜まってしまった。

爆睡のパセ&ポプしかし、後ろを振り向けば、パセ&ポプがころころと気持ち良さ気に寝ている。微笑まずにはいられない。
旅はパセ&ポプ連れに限る(笑。

久しぶりに平ら15時半、ふと見れば、久しぶりに関東平野のような、山の無いどこまでも平らな景色が広がってた。陽射しが強く、車内でも肌がひりひり暑い。

那珂川あれ、もしかして関東平野にいつの間にかワープしてた?
関東平野を流れている川と同じ那珂川が現れた!
字も全く同じ。
そして、高知の那珂川橋を渡る。

16時、ガソリンを入れ、またひたすら走る。

徳島市徳島市にはいると、どこか銀座に似ている景色。
と思ったら「かちどき橋」が出てきた。

さっきから、関東のどこかとリンクしている場所が時々出てくる。
次はなにか出てくるのだろうか。

小鳴門橋小鳴門橋大鳴門橋 へ

16時40分 小鳴門橋を渡る。

高速大鳴門橋そして、鳴門北ICから高速に乗り、海を渡るためにわずか一区間走り、淡路島南ICで降りることにする。
高速道路上からも鳴門海峡の渦潮をはっきりと見ることができた。こんな場所によくこんな巨大な吊り橋を架けたなぁ、と驚く。この橋ができたことで日本初だった淡路島 – 鳴門間のフェリーがなくなり、車以外では淡路島 – 四国間を渡ることができなくなったそうだ。公共のバスを利用するため、自転車なら輪行バッグに入れなければならず、夫のバイクでは渡ることができない。便利になったのか、不便になったのか。誰のための橋なのか、何のための橋なのか…。

淡路島 とうとう四国ともお別れだ。
九州から四国に入ったときも名残惜しく、後ろ髪をひかれる思いだったけれど、四国を離れるときはまた違う感情があった。

旅が終わりに近づいている。

17時過ぎ、淡路島南ICで降り、
淡路島の漁村の細い道を抜け、さびれた方へ向かった。
魚彩館海の展望広場できれば地元のおいしい海産物でも今夜の食事として買いたかったのだ。
魚彩館という施設があるらしいので車を走らせた。
しかし、大方予想通りで、魚彩館に店員はいたけれど、わたしたちの買いたいものはなかった。
少々残念な想いを抱えながら、夕暮れ迫る海の展望広場で、パセ&ポプと今渡ってきた大鳴門橋を遠くに眺める。そして、鳴門海峡を吹く風の匂いを感じたり、夕陽に向かって走ったり、少しばかりはしゃぐ。

パセ&ポプと元気に旅が出来ること、それを叶えさせてくれるすべてのことに、心から感謝する。

さ、進もう。
そろそろ次の旅のためにも帰らなくちゃ行けない期限が迫ってきている。今夜のごはんも考えなくちゃ。寝る場所も考えなくちゃいけない。

薩摩灘海沿いを走り出すと、薩摩灘に向かってバイクが二台停まっていた。
地元のライダーのようだ。
毎日こんな景色を見て走っているのだろうか。
大型バイクと思ったら、ツーリングらしい大型バイクのグループが後ろからボボボっと近づいてきた。夫がするすると窓を開け手をあげて、バイクの人たちに合図をする。大型バイクの人たちはみな手をあげて先へと走って行った。

たまねぎ畑海沿いに建っている小屋の壁に、パート募集の貼り紙があった。

「仕事内容、むき玉」

「むき玉」とはいったいどんな作業なのだろう? わたしたちは首をかしげていた。

海沿いから内陸に入ると、これまでの景色とは打って変わって右左一面にたまねぎ畑が広がった。
なるほどね。
畑には個々に小屋が建てられている。作業小屋だろうか? パートの勤務地はその小屋なのだろうか。

今夜はSAかPAでの車中泊の予定なので手をかけられないから、とにかく日が暮れてしまう前にスーパーを見つけて夕食を買ってしまいたい。
たまねぎ畑の間の道を突っ切って、ナビで探したジャスコに向かうことにした。
夕方になってもまだ温度が下がらないのでエンジンをかけたまま車を停め、パセ&ポプを待たせて走ってジャスコに向かう。
入り口で息を止めた。入ってすぐのエリアにはベンチと吸殻入れがあり、数人がそこでタバコを吸っていた。煙が充満している。これではまったく分煙になっていないどころか、入る人みんなが煙を吸わされてしまう。
煙幕を抜け、スーパーへと入っていった。残念ながら地元らしいものはまったくなかった。つまらないので適当に選ぶ。
18時過ぎ、また煙幕を抜けて外に出た。パセ&ポプが尻尾ふりふり、にこにこして迎えてくれた。

たこ焼き18時半頃になると、28号線沿いに小さなたこ焼き屋さんが何軒か現れた。もしかしたら、この辺りはたこ焼きが名物なの?とグルメじゃないのでなにも知らないわたしたち。とりあえず、食べて見ますか?と一軒のたこ焼き屋さんの前に車を寄せた。
「素たこ焼き」というのを頼んでみる。
小粒の8個入り。ソースをかけていないので味がとてもシンプル。熱すぎてなかなか食べられないほど出来立てだった。半分は、素のまま。残り半分は、常備しているポン酢と一味をかけて食べてみた。これもなかなかいける。
夜が近づく28号線は大阪湾沿いを走り始めた。
18時50分、大阪湾は空と海の境目がなくなって一面白くなった。
月が高く輝きはじめて、海にその月明かりが映りこんでいる。

明るい空に、明るい月。

旅の最後の夜になるはずの今夜、素晴らしいプレゼントをもらっているようだ。

月夜

世界平和大観音像前方に、なにやら大阪湾ではなく神戸の方向を見ているような巨大なオブジェが出現した。世界平和大観音像というらしい。その名前からしてうさんくさい感じがぷんぷんする。
帰宅後調べてみたら、商売に成功した人が錦を飾るために建てた像らしい。宗教法人には出来ず、固定資産税が払えなくなって今では閉館していると、ネットでは書かれていた。この像の1階部分が世界平和観音寺になっていたそうだ。「観音」とか「寺」とか宗教法人じゃなくても付けられることをはじめて知った。

あたりも真っ暗になった19時半、温泉もあると書かれている東浦道の駅に到着した。
案内に従って進んでゆくと、暗くだだっ広い駐車場に入った。駐車場には車が半分ほど駐まっているが、人の姿がない。とにかくおなかをすかせているパセ&ポプに、ごはんをあげようと準備をする。といっても、ランチジャグに作ってきたごはんはまだ温かいので、お皿に移すだけ。パセ&ポプはそれでもがつがつと食べてくれる。なんども書いているかもしれないけれど、旅の中でパセ&ポプがごはんを美味しそうに食べてくれることが、なによりも安心と幸せを感じさせてくれる。

暗い中歩いていた人に訊ねてみると、ここはバスターミナルの駐車場で、バスに乗るために車で来る人たちが置いて行った車が駐まっているそうだ。
ならば、道の駅はいったいどこにあるのだろう。
ごはんを済ませたパセ&ポプと、周辺を探ってみる。
道の駅にしては暗すぎるし、唯一灯りが付いていたところは建物の二階の一室で学習塾だった。
道の駅の本に書かれていた温泉はいったいどこだろう?
駐車スペースの真ん中辺りに、ビニールハウスのようなサンルームのような建物があった。覗いてみると「足湯」のようだ。しかも、閉鎖していると貼り紙 がされていた。ここは確かに道の駅ではあるようだけど、なにかおかしい。ネットで調べて見たら、「レストラン及び喫茶は当分の間休業致します。」と書かれ ていた。現地で案内がないのは不案内過ぎやしませんか? トイレは24時間利用できるらしいけれど、ここは明るいときに来ることを薦めたい場所。

さて、いよいよ本当に旅の終盤に入る。
高速に乗ったら、もう降りないだろう。
一日予備日を作っているので、明日帰宅しなくても大丈夫ではあるけれど…。

暗い道の駅で、この先のルートを相談する。

20時過ぎ、覚悟を決めて、東浦ICから神戸淡路鳴門自動車道に乗り、再び長い長い高速の旅に入った。

明石海峡大橋高速を走り出すと、グリーン1色の観覧車が前方にどーんと出現した。どこかのアミューズメントパークかと思ったら淡路サービスエリア(下りSA)にあるものらしい。

次に出てきたのは明石海峡大橋。
世界最長の吊り橋で、阪神・淡路大震災で地盤がずれ、計画よりさらに1m伸びたそうだ。震源地はほぼこの橋の真下だったと か。それにしても何メートルまで伸びることができるんだろう。夏と冬では長さが違うのかなあ。と疑問に持ったところ、当時は建設中で地盤が変化したために長くしたそうだ。あぁ、びっくりした。

夜にこの橋を通ると明石海峡の様子はまったくわからないけれど、まったく予期せずに目の前に広がったあまりに綺麗な夜景には、夫とともに感嘆の声をあげてはしゃいでしまうほどだった。
垂水、舞子、神戸方面は緩やかな丘になっているようで、まさに宝石が散りばめられた夜景が広がっている。思わず何回もカメラのシャッターを押してみたが、 あの光景はカメラに収めることはできない。この時間にこの橋を渡れたことは本当にラッキーだった。昼間は昼間で違った景色を見る事ができるのだろうけれど、わたしたちにとってはこの夜景と出会えたことが最高。8時という時間はちょうど良かったように思う。きっと観覧車からもこの夜景が見えるだろう。その ために建てられたのかもしれない。

興奮を引きずったまま本州へ入ると、感動のもとになった夜景の下を抜ける長い長いトンネルで、感動が一気に薄れていく。いったん外に出るとまたトンネル。なんだかもぐらのようだ。やっと出た、と思ったら今度は神戸西本線料金所という料金所が出てきた。
別料金らしく1000円と表示される。
25.5 km、約20分の走行で1000円とは、東京から九州まで2600円の現在なのに、高いなぁ。と思っていたら、これはETCでの割引が効いていたらしい。 通常ならば2650円だそうだ。驚き!

平日の通勤割引だと1375円で、1000円ではない。ラッキーなことに『ゴールデンウィーク期間中の4月27日(月)、28日(火)、30日(木)、5月1日(金)、7日(木)、8日(金)も、休日終日割引を適用いたします。』ということで、ETC休日終日割引扱いだったらしい。

あの夜景の料金と思えばかなりお安いし、Wラッキーだったようだ。
(ETCシステムと、このわけわからない割引制度の不服は、ここでは脇に置いておくことにしよう。)

山陽自動車道・淡河PAに入って見る。コインシャワーがあるからか、トラックで埋め尽くされていた。

1時間ほど走って、今度は西宮SAに入る。
大型用駐車スペースが空いているのに、トラックが普通車用のスペースを何台分も使って停車している。
外に出てみると、夜風が冷たい。暑さを心配していたけれど、これなら大丈夫そうだとひと安心。
しかし、車が多い。すでに休んでいるらしい車も10台はいた。
ジャスコで買ってきたどこでも売っているようなカツ丼と海鮮丼を食べる。

高速道路はトラックの走行がとても多い。無灯で走っているトラックもいて驚く。

草津PAを今夜の仮宿としようかと入ってみるけれど、今度は暑い。しかも、トラックが普通車の脇にも駐めていて、エンジンもかけっ放しのため窓を開けることが出来ない。

次の菩提寺に賭けることにした。

23時、菩提寺着。

数台のトラックがいて、エンジンをかけているけれど、広いパーキングで気にならず、大方静かだった。
最後の夜。
車を駐車場の端に駐めると、ささっとカーテンを閉め、シェードを付けて寝られるように準備をする。
車の脇で夫がジェットボイルでお湯を沸かし始めた。そして、パックタオルを熱いお湯で浸し、かたく絞って渡してくれた。これまでもこうやってくれたことはあるけれど、このときはなぜか何をやっているのか見当がつかず「?」でいた。運転で疲れているのに、この上ない気遣いをしてくれる。渡された熱いパックタオルで顔を拭くと、わたしの疲れなんて一掃されてすっきりさっぱり。夜景以上に感動した。

今回の旅の最後の夜になるはずの夜。すっきりして、すでにリアシートでくつろいでいるパセ&ポプの間に潜り込んで寝る体制に入った。

2009.5.8 だいたいのルート2009年5月8日のルート
だいたい415km

おつかれさま > 夫♪

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