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九州・四国 ぐるっと4221.4kmの旅 06 (由布院~九重)

由布院の朝5時頃からうつらうつらと目が覚め、6時には起き出した。
サンシェードの隙間から細い日が差し込んでくる。
シェードを取ると、予想通り(山はそう簡単に動かない)、フロントウィンドウに由布岳が朝からどーんと姿を現した。そして、お日様がその由布岳の上にいた。
由布院の街には雲がかかっていて、雲海のようになっている。ここ道の駅由布院は街を見下ろす高い位置にあったのだ、と今頃気付いた。

ひとつ空けて隣に駐まっていた岡山ナンバーのおじさんは、ひとりで旅をしているそうだ。ひとり旅が好きなわけではなく、出来れば奥さんと廻りたいが、奥さんはお孫さんのお世話で出かけられないのだ、と淋しそうに言っていたらしい。「らしい」というのは、夫ししたろから聞いた話だったから。わたしの父も1年の半分近く出かけているが、ここ数年母が一緒に行かなくなったのでひとり旅になっている。父もほんとうは母と出かけたいのかな、と父の姿が頭によぎった。おじさんは、ナビもなく、事前に自分で作成した特製マップを頼りに車中泊をしながら巡っているそうだ。本来なら綿密な計画と標識を頼りにすれば、不安少なく目的地につけるはず。でも、最近はみながナビをつけているという前提に標識がおざなりになっているような気がする。昔から、車を運転することがない人たちが標識を作り、つけている傾向はあったけれど、拍車がかかっている気がする。

ししたろが由布岳の上から注ぐ日差しを浴びながらおじさんの地図を見たりおしゃべりしている間、わたしはレトルトのお肉と昨日買ったサラダとヨーグルト、そしてササエキスでパセ&ポプのごはんを作り、食べさせていた。
そして、おじさんとの話を聞きながら、わたしたちも車内で食事を摂る。車中泊の旅のときは野菜や海草が不足になりがちなので、努めて野菜や海草を買うようにしている。今朝は昨日のスーパーで買ってきた、ひじきサラダ、めかぶ、茶碗蒸し、おにぎり、そして大分名物と書かれた鶏天が朝食。この鶏天ってチキンナゲットの元じゃないのかしら? 以前、マックナゲットは日本の天ぷらをヒントに作ったものだ、と聞いたことがある。そのときは天ぷらを?と首をかしげたのだけど、この鶏天なら十分納得できる、というか、ナゲットそのものに近い(苦笑。

おじさんはわたしたちが食事をしている間に、走り出して行った。

8時半、わたしたちも道の駅由布院を出発した。

今日の宿泊地は決めているので、ふらふらと別府辺りをドライブしようと思っていた。しかし、その前に、九州に来てから四国も行こうという話が出たので、フェリーターミナルも覗いてみようということになった。去年同様、今回も「行かない」と言い切っていた場所への変更だった。言い切っていたから、四国のことは調査対象外として途中からなにも調べていない。ただフェリーに関しては、九州だけに行くか、四国にも渡るのか決定していなかったときに少し調べていた。
大分駅前大分駅の前で左折して、佐賀関へ向かう。大分川では、大会でもあったかのような数のカヤックが川面をカラフルにしていた。

佐賀関フェリーターミナル11時頃到着した佐賀関フェリーターミナルは、閑散としていて、のんびりとした雰囲気だった。次のフェリーに乗る人たちが、手続きのために開いた窓口に4-5組並びはじめた。その列に並んで、4日か5日の予約状況を聞こうとしたら、裏のオフィスで聞いてくれと言われ、机の数の半分も人がいないオフィスに行き、予約状況を聞く。
「どの便も数席ずつしか空いていません。わずかなので今予約しないととれませんよ。」パソコンの画面を見ながら、言われた。
うわっ、どうしよ。
いったんオフィスを出て、パセ&ポプの散歩をしながら相談する。
夜に四国に渡るのは避けたいから、取れるのなら5日の早朝にしよう。そして、前の晩はフェリーターミナルでP泊させてもらおう。
再度オフィスに行くと、中にいたワイシャツ姿の人たちがみんな反射テープの付いた服に着替えていた。先ほどパソコン画面を見て対応してくれた人も着替えている。どうやら乗客をフェリーへ誘導をする準備だったらしい。私たちが予約したい旨を話すと、はいはいと応じてくれた。
5日の朝、というと「取れますよ。三崎からですよね?」と確認される。
「いいえ、佐賀関から三崎です。もしかしたら、さっきの予約状況は逆だったんですか?」とちょっと不安になった。
「大丈夫です、どちらからもほとんど同じですから。」
そんなもん?ちょっと不思議に思いながらも、予約番号は「40番」で5月5日の朝7時の便を取ることができた。
前日の晩はここの駐車場で寝ていていいですよとも言われたが、最後に決まり事のように30分前の6時半には駐車場に到着していてくださいとも言われた。

よかったね。パセ&ポプの待つ車に戻りながら、そんな言葉を交わす。
まさか後日、ここ佐賀関を追いたてられるようにして出て行くことになるとは、このとき全く考えていなかった。

道の駅佐賀関フェリーターミナルを出て、旧道の海沿いの道を別府湾を眺めながら走り、道の駅佐賀関に立ち寄った。
名物クロメたこ焼きと書かれている。なんでもなにかのメディアに紹介されて有名になったたこ焼きらしいのだが、あまりにそれを前面に押し出されると引いてしまう性格で、わたしちは食べなかった。道の駅としては小さく、P泊を目的とするならわたしたちは使わない環境。フェリーターミナルから近いので、到着した人たちはここを利用しているのだろうか。

パセ&ポプいつも右側に寝ているポプラが真ん中を陣取っているパセリへの反撃だったのか、偶々だったのか…、ピローをひっくり返してパセリの上に覆いかぶせて満足気な顔をしている。

別府別府へ向かう。

サルの生息地という高崎山自然公園脇を通り、ガソリンを補給する。賑わっていたガソリンスタンドはキャンペーン中だったようで、一定量以上給油するとティッシュ3箱か水2リットルを二本プレゼントしてくれるそうだ。以前も旅先でそんなプレゼントをもらったことがある。ゴルフワゴンだってので、置き所に困って、そのとき会えたお友達に無理矢理持って帰ってもらったことがある。今回は、ティッシュをもらってシート下に詰め込んだ。このティッシュ、この先かなり重宝した。

買出し&散歩正午を過ぎた。
今夜の買出しもして別府の温泉街を通り、キャンプ場に向かおう。
ナビで案内されたスーパーへ車を走らせる。
買出しと、パセ&ポプを下ろして散歩休憩。

鉄輪温泉別府の温泉に入りたかったわけではない。
ただ、別府の町並みに触れて見たかっただけ。
別府八湯の中の鉄輪(かんなわ)温泉郷に入り込んで見た。車でのろのろと入ってゆく。
さすが休日だからなのか、観光名所らしい「地獄めぐり」には、観光客らしい人たちがそれなりにいる。でも、駐車場はガラガラ。どこからやってきているのだろう。
時代を感じる命名の「ヤング温泉娯楽センター」という施設では、大衆演劇界では有名なのか市川千太郎劇団の公演があるらしい。大衆演劇も別世界なら、こういう温泉街も縁がなく生きてきたのできょろきょろしてしまう。

由布岳由布岳をバックに由布岳の裾野で、たくさんのひとたちの歩く姿を見かけた。パセ&ポプと散策しようと思ったら、有料駐車場しかなく、しかも混雑していたのでパスする。

少し走ると、これから名所にするらしい一角が現れて、ししたろはその場所へと車を進めた。まだ桜を植樹したばかりの丘陵。なだらかに伸びる丘の裾には由布院の町並みだろうか、家など建物が広がっている。
ししたろがルーフキャリアに登って眺めて見ると気持ちがいい~、と言うのでわたしも真似をしてみた。さすが豊後富士と呼ばれるだけはある。その姿は見る角度によってずいぶん違うけれど、どこからもどっしりと悠々としている。
その姿を高い位置から見ることができて、見惚れていたけれど…、行きは良い良い降りるのは怖い~。
車内にいたパセ&ポプは、停まっているのに揺れる車に「?」な顔をしていた。

道の駅由布院昨晩お世話になった道の駅ゆふいんの脇を通る。
さすが休日、車がいっぱい停まっていて、人もぞろぞろと動いている。

14時30分ころ、11号線やまなみハイウェイに入る。
走っていた車は100パーセントやまなみハイウェイに吸い込まれて行った。
山登りの格好をした2人と車が2台、そして警官が道の脇でなにやら集まっていた。

やまなみハイウェイ、スピード出し過ぎの車が多い。

小田の池久住山南麓にある火山性の久住高原から久住山北麓の大草原飯田高原に入ったのだろうか。

どこから飯田高原なのかわからないのだけど…。

日本湿原500選に入っているという小田の池。
無精してパーキングスペースから見えるかな、と覗いて見たけれどやはり見えなかった。

朝日台展望台15時、朝日台展望台に寄って見た。とても展望が良いとは思えない展望台。レストハウスなどがあるから、休憩にはよいかもしれない。

不思議だ。
実際見た時はよくなかったのに、写真だとよく見えてしまう。
実際、ものすごく感動した景色を写真に収めても、迫力も輝きもなかったりするのに…。

ワラビ採り斜面の牧草地には、わらび採りの人たちが放牧された牛のように点々といる。
わらびがこんなに日当りの良い場所に生えているとは知らなかった。

もし、わらびを採って手間なく食べられるものだったら、間違いなくわたしたちも放牧された牛のようになっていただろう。

残念ながら、その手間を掛ける時間がないので、放牧されることはなく、走る。

ジェラードジェラードと書かれた看板に誘われて、岡嶋牧場 ミルクランドファームに車を入れてくれたししたろ。ちょっと待っててと走って行った。
次から次に車が入ってくるってことは、ここは有名なところなのかもしれない。
爽快・快走

何度も言ってしまうかもしれないけれど、九州に失礼なことをしていた。数年前までは北海道が大好きだった。今でももちろん嫌いではなく好きだ。
でも、これまで走ったことのある北海道のどこの道とも違うこのやまなみハイウェイ。バイクには乗らないけれど、バイクで走りたくなる道の気がする。昔乗っていたMR2だったら絶対ルーフをはずしてかっ飛ばしてしまっただろう。

昨日、立ち寄った地熱発電所の脇を通る。相変わらずもうもうと煙が上がっていた。



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