5時半に起き出した。山の方が涼しい、というのは正解だったようだ。加西PAは暑くなかった。
でも、涼しすぎた気もする。車の温度計で8度だった。
見上げると青空が見えていた。
夫はコーヒーを淹れ一息ついてから、車両を置いたまま人だけが出入りできるウェルカムゲートを利用して、一般道へとパセ&ポプの散歩に出て行った。ここウェルカムゲートは従業員の出入に使われていたゲートを一般にも開放しているものらしく、24時間開いているわけではないので気をつけないと帰ってこれなくなるかもしれない。夫が散歩に行っている間、わたしは夜間寝室仕様にしていたリアを、パセ&ポプ移動用くつろぎ空間に整え、パセ&ポプのごはんを作る。移動時は分業して時間の節約をする。
散歩から帰ってきたパセ&ポプは、わたしが助手席でパセ&ポプのごはんを作っているを知って運転席から覗き込んでいた。そして、ポプラはなんと跳び乗った。ハンドルの存在にかなりこまったようだけど…。
パセ&ポプの今朝のごはんは、ふかして来たお芋とトマト、鮭缶、ヨーグルトとササエキス、といった簡易なもので済ませる。
昨日すこし心配だったパセリは、けろりとして元気満々、笑顔でごはんをぱくついていた。お散歩が少なかったのかもしれない。
7時半前に出発する。
兵庫県福崎市で、オパールの帯のような大きな虹が現れた。今はこのサイトに載せていないけれど、以前掲載していた12年前になるアメリカ旅で、シアトルの橋を渡ったときに見た大きな輝く虹に匹敵するほどの感動を呼ぶ虹だった。
きっといいことがある、という気分にさせてくれる虹。小さくても幸せな気分になるのだから、大きさに比例してその幸せも大きくなりそうに思ってしまう単純なわたし。これからの旅がきっと楽しく快適になりますように、と輝く虹をくぐる。
安富PAで、昨日買ったパンと持ってきた野菜ジュースでわたしたちも朝食にした。PAとは思えないほど賑わっていて、歯を磨くような雰囲気ではない。神郷PAに移動して磨く。歯磨きや洗顔は人のいないとき、ところでしたい。あちこちのSAで、いかにも顔を洗ってきますってタオルをぶらぶら下げている姿を見かけたけれど、温泉地だったりすれば違和感はないのかな。わたしは、乾きも早いかわいい手拭とか、速乾性のアウトドア用タオルを使っている。持って行くときも小さくなるし、結構重宝するのでお薦め。
普通乗用車での車中泊も多かったのか、助手席のダッシュボードに大きな鏡を載せて丁寧にお化粧をしているらしい女性も何人か見かけた。丸見えの場所でのお化粧って、こちらが目をそらしてしまうんだけど、そういう人はお化粧しない方が許せないのかもしれない。
高速道脇の飛んで行く風景の中に、「高機能」とだけ書かれた看板が何本も立っていることに気付いた。いったい何が高機能なのか頭をひねる。謎かけで、後からその秘密が明かされるのだろうか。どんな答えが現れるのか少し期待しつつ眺めていたが、なんの変化もなく、その「高機能」看板の姿もぷっつりとなくなった。なんの役に立つのだろう? 看板を作るのに費用がかかり、立てるのに費用がかかり、結局その意味を伝えることもできない看板。いったい誰が立てたのだろう。
リアではパセ&ポプが好き勝手に寝ている。
シートベルトをしているのでそう自由度はないはずなのに、パセリはテンションがかかっている方が好きらしくシートベルトを引っ張り、ピロークッションを使って寝ている。ポプラはたいてい背もたれにくっつくようにして埋もれていることが多い。
9時前、大佐SAでガソリンの補給。タイヤの空気圧もチェック。SAにしては珍しく感じの良いスタンドだった。
「寒いですねぇ、北海道では雪が降りましたよ。」とスタンドマンが言う。
そうそう、出発する前にチェックした天気予報に雪だるまがいて、驚いたのだった。ホントに降ったのね。
日が差しているのに、再び雨が降り出し、風が吹きはじめた。温度が朝より下がって7度になる。
広島県に入ると、また気温が下がり6度になった。
高速道を走っているのは暇なので、ラジオから流れてきたビジネス英会話講座を聞く。久しぶりのラジオ講座。なかなか面白かったし役に立ちそうな内容だった。広島放送だったから関東では聞けないのが残念。
天気予報で、日本海側は曇り時々雨、太平洋側は晴れ時々くもり、と言う。だから中国道は晴れ時々雨なのかな?と勝手に納得してみた。
広島北JCT、中国道は北なのに南へとカーブする。
ジャンクションでは当たり前だけど、ときどき体内磁石が迷う。
吉和SAで、パセ&ポプのお散歩休憩をしてわたしたちのお昼にする。以前乗っていたゴルフワゴンのときは車内が狭かったこともあり、パセ&ポプを車内に残すことはほとんどしなかった。今のデリカD:5にしてからは、多少車内にいてもらう時間が増えた。もちろんクーラーが必要なときなどは、突然エンジン停止なんてこともあるから、ダッシュで戻るけれど。今日は寒いくらいなのでシュラフとピローでぬくぬくのパセ&ポプは心配ない。だいだい、パセリはおなかを見せてあられもない格好で寝ていて、わたしたちが降りてもほとんど気にしていない。
昼食は吉和わさび丼とあわびたけと舞茸の天ぷらうどん。わさび丼は「かなり辛いです」と書かれていた。どうせそんなに辛くないだろうと思って食べて見たが、果たしてなかなかの辛さ。わたしの好みだったので買って行こうかと思ったけれど、大きな瓶詰めしかなかったので諦めた。
高速道から見える山口県のガードレールはやっぱり黄色だった。去年、山道で「?」と思ったけれど、そこだけじゃなかった。
ナンバープレートのフォントも地方によって違うし、地方によって異なることを発見するのはやはり旅の醍醐味、面白い。どこへ行っても変わらなかったら、出掛ける必要ないものね。もっともっと地域で違いを出して、それこそ政策でも良い競争をしてほしいわ。
九州に入る前に関門橋下ので休憩する。昨年は雨だったから素通りしたのだった。
今年は、風がびゅうびゅう吹いていて寒い。前から気になっていたファミリーロッジ旅籠屋
が併設されていた。今日は満室らしく、「満」の札が出ていた。ペット同伴ということで気になっていたのだが、料金は人ひとりと同額と書かれていてのけぞった。以前はそんなことなかった気がしたんだけど…記憶違いだろうか。
と、調べたら、やはりわたしの勘違いだった。
ここはルームチャージ制であって、日本の所謂1名あたりのチャージではなかった! 使用人数によってルームチャージは変わるけれど、かなり使える料金設定だと思う。ただ、現金をなるべく持ち歩かずカード払いがメインの我が家としては、クレジットカードが使えないのはちょっとマイナスではある。
去年は関門海峡を渡る時、雨粒に邪魔されて海の様子も遠くの景色も見えなかったけれど、今回は青空も少し出て、橋からの景色も堪能できた。
興味津々の料金所が現れた。
なにかの間違いで通常料金なんてこともあるやもしれない。1000円で通行できるなんて夢を見ていたか、騙されていたことにここで気付かされるかもしれない。
カメラを構えて料金の表示を見る。
2600円
確かにそんな表示だった。これに首都高の料金が足されて、東京から九州へは3200円くらいで来たことになる。
高速道路はすべて無料にすれば妙なETC天下り団体だって必要なくなるし、無駄なETC機器だっていらない。なにより無駄な税金も使わずにすむのに…。とぶつぶつ言いたくなるけれど。
とりあえず今は、今回の目先だけ考えて、出費が減ったことを良かった、ことととする。
いつかツケは払わされるわけだけどね。
あ、またぶつぶつ言っちゃった(苦笑。
計26時間半、高速道路上にいたわたしたちはここでやっと下道に降りた。
今夜は、父からのおみやげとしてはるばる千葉から持ってきた久保田の一升瓶と、母からの差し入れとしてお刺身等々を持って、夫の父宅にお世話になる。
やっぱり九州は遠いなぁ。
車に乗り続けていると降りてからも、船を降りた時のように揺れるような気がする。
それでも長い時間をかけてやって来た甲斐がある、と思える新鮮な魚。パセ&ポプも大喜びで食べ、あちこち家中を自由に動き回り、長旅の疲れを振り払っていた。
コメント
こんにちは~
もう、なんだか読んでてワクワクしちゃって♪
パセ&ポプちゃん達の様子や
richaさんのぶつぶつも、
《そうだ!そうだ》と言いながら、楽しく拝見しています(笑)
あー行きたい、どんな旅本よりも魅力的!
すねの痛みは、いかがでしょうか?
記事アップの方もワクワクしながらも、
のんびりお待ちしておりますので・・
お大事になさって、ご無理されませんように
MAXに、お祝いメッセージをありがとうございました。
とっても有り難くて、嬉しかったデス♪
>MAX&CAN+Eママさん
ごめんなさい、いつの間にか設定を変えてしまっていたらしく、コメントのメールがとれず、掲載できなくなっていましたm(__)m
ぶつぶつに同感していただけているなんて、この上なく嬉しいコメントです!(爆
忘れっぽい自分のための記録なので余計な事もいっぱい書いちゃっていますが、読んでいただけて恐縮です。
すねの怪我は…、パセ&ポプがおかまいなく顎乗せなどしてくるのでときどき痛みますが、治りが遅い理由がパセ&ポプなので幸せなことと思っています(笑。ご心配、本当にありがとうございます。