1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

九州・四国 ぐるっと4221.4kmの旅 20 (大野ヶ原高原~キャンプ@仁淀川)

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大野ヶ原高原大野ヶ原高原大野ヶ原高原は、四国カルストの西側にある標高1100m~1400mの石灰岩の台地。
溶解された石灰岩が草原の中にごろごろと姿を出している。いつか朽ちてしまうのだろうか。木とは違ってまた生えてくるわけではないのだから、未来、この景色はずいぶんと変わってしまうのだろう。

大野ヶ原高原頂上下り

山腹途中の駐車場に車を停めて、山頂まで直登する道を行く
パセ&ポプは元気だ。ここだけの話、人間の歳にしたら64歳と44歳らしいのに、さすが自称5歳と3歳、がんがん登ってゆく。
車を降りたとき、寒かったので上着を着たが、すぐに脱ぐ羽目になった。
頂上に近づくにつれて、稜線の向こうから白いキリが迫ってきていた。
頂上に辿り着くと向こう側は真っ白。ぎりぎり稜線は晴れている。

「われもまた
風と霧の匂ひを愛す」

中野にあったアポロスポーツの松永敏郎氏が、著書にサインとともに記してくださった言葉が浮かぶ。

大空海山幸福寺という石碑があり、近くに小さな祠がぽつんと立っていた。
足元には、霧が迫ってなおさら色味をなくすカルストの間に、まるで飛行場の誘導ライトのように黄色い日本タンポポが並んでいる。

下りの途中、赤ちゃんを抱いて登ってくるお母さんとすれ違った。母は強いなぁ。

駐車場に戻ると、駐車場にテントとシェルターを張っている人たちがいた。ここでキャンプだろうか。この方たちも違った意味で強い。

大野ヶ原高原
どこからともなく現れた草原の中を歩いている人たち。
キャンプ場広場のような駐車場のようなスペースは、キャンプ場らしい。
風にもてあそばれそうな開放感あふれる場所に見えたけれど、実際は周りが少し小高くなっているのでそうではないのだろうか。小さく1張りのテントとキャンピングカーの姿が見える。人はまるでありんこのよう。

大野ヶ原高原高知県と愛媛県の境にあるカルスト台地、383号線を走っていると、高知に入ったり愛媛に入ったりを繰り返した。
約200万年前、四国山地の隆起によって石灰岩が地上に顔を出し、雨による侵食で作られたというカルスト地帯。保水性が悪く土壌の発達が不十分で森林が形成されにくく草原になっていることが多いようだ。

カルストが出来るまで

道の駅布施ヶ坂13時20分、道の駅布施ヶ坂に寄る。
いくつか個人商店が軒を連ねていて、それぞれあまご焼きやこんにゃく、山菜の天ぷらなどを売っていた。お弁当も種類がたくさんあり、お昼を過ぎてもまだなにも食べていないわたしたちは思わずあれもこれもと買ってしまった。

14時40分、須崎で今晩の買い出しをする。
ショッピングセンターの名前は「ピア」。昨晩、以前仕事をしていた「ぴあ」を久しぶりに訪ねている夢を見たのは、これのことだったのかな。
野菜は乏しく、カツオとビンヨコを購入した。

キャンプ場へ向かう道今日は仁淀川の河原キャンプ場で宿泊予定。
ナビに案内された道はどんどん細くなる住宅の隙間を抜けるような道だった。
付きあたると仁淀川で、片側だけに欄干と歩道のある沈下橋が現れた。
助手席側には欄干がない。窓から外を見ると、すぐ下は川だ。少しでもずれると脱輪どころか川に落ちる。遊園地のジェットコースターより、怖い。
橋を渡りきったら左折。そしてUターンのように切り替えしてまた左折する。かなり細くて何度か切り返す必要があった。
と、そんな場所に車がやってきた。わたしは降りて、その車の行きたい方向を聞き、D5が避けて待つ場所を決める。すると、その車の男性がするすると窓を開け、「キャンプ場に行くがかぇ?」と声をかけてきた。「え、えっと、キャンプ場。はい、キャンプ場に」瞬間、何を言われているかわからなかった。「向こうの道の方がえいよ。こっちの道は荒れちゅうから」
丁寧に通りやすい別の道を教えてくれた。(言葉違っていたらごめんなさい。こんなふうに聞こえてました^_^;)
スイッチバックのようなヘアピンの左折はやめ、教えてもらった通り少し戻り、トンネルを抜け、河原へと向かった。
偶々あの瞬間に出くわさなければ、荒れている道に突っ込んで行ったんだろう。どこで幸せの出会いがあるかわからない。

キャンプ場の風景河原のキャンプ場は大雑把に言えば、上段と下段があって、下段はJEEPのグループがスクリーンタープやテントを張っていた。上段にはPFD(ライフジャケット)を干しているサ イトが2つ。奥にもテントが張られていた。平らなところはほとんどないが、川が眺められる場所に夫がうまいこと車を入れてサイトを作ってくれた。

「ずいぶん遠くから、ですね」JEEPのグループの男性が声をかけてきた。おお、「野田」ナンバーがわかるんだ、とびっくり。

かわいいパセ&ポプ河原でもカヌーは持ってきていないので出さない(当たり前ね)。
以前は水を見て「あー、カヌーで漕ぎ出したい」と思ったけれど、最近はそれほどカヌーに執着していない。ダウンリバーを終えて帰ってきた人たちが、自分たちだけだからタクシーで搬送している、と話してくれた。そういえばカヌーの搬送などの目的のために人を利用するような人たちもいたなぁ。やたら親しげに近づいてくる人には要注意、そんなことを後から思い出したんだった。
仁淀川の河川敷きは、夏のように暑かった。流れる空気はさらっとしているけれど、気温が高い。

ジープが川を渡るJEEPが河原を走り出したかと思ったら、川にずずずずっと入り込んで行き、水しぶきをあげながら川を横断して、向こう岸に渡って行った。
さっき声をかけてきた人が言っていた「ここはJEEPで遊べていいんですよ」とはこのことなのかな。前に続け、と数台のJEEPが連なってゆく。

仁淀川の小浜キャンプ場は、とても馴染みのあるある場所に似ていた。
川向こうの見上げる位置に道路が通っていて、川は緩やかにカーブしている。あ、流れが逆かな。関東の清流と呼ばれている那珂川の、カヌーイストたちもよく利用する野営地。そこから見る景色とこのキャンプ場の一部の景色はとてもよく似ていた。似ている景色の写真を撮っていなかったの で、画像では少々違うけれど…。

蛇口のある水場には、いつも誰かが立っていて携帯を使っていた。見るたび人が変わっているので、携帯のアンテナが立つ場所なのかもしれない。幸い、auはカーサ イドリビングを張った場所でもまったく問題がない。四国に入ってから、auはつながらないところが多くなったけれど、ここではつながっていた。

夕飯の支度道の駅で買ってきた竹の子とぜんまいで煮物を作る。味付けは、えびののスーパーで見つけた「本カツオ節使用 土佐の和風だし 濃縮7倍」というもの。
茹でたての竹の子なので4分の1はお刺身として食べることにして他は煮る事にした。
キャンプ場のまわりを散策その間、夫とパセ&ポプは近所の散策に出かけた。
キャンプミニの包丁の切れが悪くなっている。トマトのスライスがきれいに切れない。今度からはダイヤモンドシャープナーを持ち歩こう。

仁淀の食卓夕飯に、グリーンピースごはんも炊き上がった。
メインディッシュはカツオとマグロのお刺身。

パセ&ポプごはんは、買ってきた白菜やトマト、もやし、さやえんどう、グリーンピースなどの野菜やお肉すべて煮込んで、トッピングにカツオとマグロ。

夫がパセ&ポプごはんのグリンピースをひとつひとつつぶしてくれた。ポプラが一粒のグリーンピースのためにゲーッをしたことがあるから。あのときのグリーンピースは手作りのごはんに入っているものではなかったから、煮たりなかったからだとは思うけれど、夫は念入りにつぶしていた。パセ&ポプも、おかけで消化しやすくなったと思う。

6時半を過ぎ、日が山向こうに姿を消すと、温度も低くなって半袖では寒くなった。

パセ&ポプごはん秋でもないのに、虫の合唱が始まった。
夫は、栗焼酎を傾けている。高千穂のスーパーで保冷用の氷がなく購入することになったロックアイスは、ランチジャグやボトルに入れ、クーラーバッグの中に入れている。暑い夜、栗焼酎はオンザロックか美味しいらしい。あのスーパーで保冷氷がなかったことは、こういう未来のためだったのね。
20時半、パセ&ポプは車の中に入ってお休みタイム。
続けてわたしも車の中へ。
カーサイドリビングで、夫はラジオのチューニングをあわせるために試行錯誤していた。「合った!」と思うとハングル。「よし!」と思うと、ハングル。チューニングが合う8割がハングルだったらしい。そして、日本語の番組より鮮明な音だったそうだ。乗っ取られてる…。
わたしは早々と夢の中へ。
夫の寝場所はパセ&ポプが乗っ取っていた。

* * *

仁淀川の河原の車の中で、夜中2時にぱっちりと目が覚めた。
暑かった。
シュラフをはいで、身体の熱を冷ます。
これほど温度が高いと、曲げわっぱに入れてテーブルの上に置いたままにしてしまった煮物やごはんが悪くならないか気になってしまった。心配は芋づる式で、カメラを外に置きっぱなしにしてしまったような気もしてくる。
車から出て確認しようかと、1時間ほどうつらうつらしながら考える。起き上がればいいだけなのに、それが出来なかった。シュラフから出たからか、本当に温度が下がったのか、眠くなったからか、気温が下がったような気になって、いつの間にかそのまま眠りに戻ってしまった。

2009年5月5日のおおまかなルート

本日のおおまかなルート。

約180kmの走行。

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