1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

九州・四国 ぐるっと4221.4kmの旅 09 (山都町)

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通潤橋走りすぎる景色の中に、水道橋を思わせるような橋が見えた。あわててカメラにおさめたけれど、有名な通潤橋じゃないの!
>> 山都町-通潤橋
水の便が悪かった白糸台地に水を送るために架けられた通水橋。江戸時代に造られた石橋で高さも20mあるそうだ。近くで見たらもっとその迫力を感じただろうに…。
5-6月は農繁期で出来ないらしいけれど、有料(1回5000円)で放水してくれるらしい。完成した時の放水時は水の音より歓声の声が響いた気がする。

手堀りのトンネルとくねくね道手掘りのトンネルが出てきた。
白石第二トンネル。入る直前に「高さ制限2.9m」と書かれても、もし制限にひっかっかってしまったらどうやって戻ればいいのだろう。しかも、どこまで戻ることになるのだろう。
続けて白石第一トンネルが出てきた。こちらは「高さ制限3m」。第二を掘るときには力尽きて高さが低くなってしまったのだろうか。
内大臣うねうねとヘアピンカーブをいくつも下って麓に着くと、そこには今はもう閉校されてしまった白糸中学校があった。
誰も通らないような山道、いかにも観光客といった感じのセダンが前に現れた。こんなくねくね道をどこへ行くのだろう? って、こちらも思われているだろうけど…。

内大臣という地名の場所。
緑川沿いを走る。
魚がいるか気にして川や池を覗く癖のあるポプラは、きっとししたろに似たに違いない。しきりに川には魚がいるのかな、と運転しながら気にしている。
川向こうには平家の湯という民宿温泉。秘境の温泉というたたずまい。さっきのセダンは温泉に向かっていたのかなぁ。

巨大な岸壁の下にぽっかりとあいた穴の中になにか建造物が見えた気がした。あわててカメラを構えるも、穴さえほとんど写っていなかった。この辺りの情報にもなにも書かれていないので、わたしの錯覚だったのかな。

153号線153号を黒谷方面へ向かう。
大井発電所そばを通り、218号、445号線を通る。狭くてくるくると急な坂なのに、交通量が多くすれ違いに難儀する。

くねくねの坂を登りきると二本杉展望台があった。
トラックが駐車して携帯をしていたり、下りながら携帯をしているドライバーもいたのは、この辺りだけが携帯の通じる場所なのかも?と試しにわたしの携帯を見て見ると、auは圏外だった。これまで通じていたはずなのに…。

パセ&ポプと散歩をしながら展望を楽しんで、また車に乗る。
登山道がいっぱい二本杉峠にでるとこれまでの山道には似つかわしくない大きな店構えの茶屋「東山本店」が現れた。店頭では串焼きも焼いている。やまめ弁当も売られている。こんなに人がいないのに不思議に思う。キツネが経営でもしているのかと思ってしまうほど(笑。
地鶏串焼きを二本頼んで、焼き上がるまで辺りをうろうろしていると、案内板もあり、登山道もあちこちにあるらしい。店の前にはがっちりした木製のテーブル がいくつもある。きっと混雑するときもあるのだろう。地元の人が「よっ、今日はいい天気だったねぇ」などと言いながら店内に入っていく姿もあった。

東山本店焼き上がった地鶏は塩気が多かったけれど、驚くほどしっかりした歯ごたえのある美味しい鶏だった。

狙うポプラの眼光鋭く…。
塩気をちうちう吸って取ってからパセ&ポプにもあげました(笑。

これだけ大きなお店があるくらいだから、この先は道幅も広がってこれまでのような面倒な道ではないだろう、と思っていた。
しかし、そう簡単に楽はさせてもらえなかった。

まだまだ続く険しい道峠を境にまたこれまでとは違った大変な道が現れた。
これまで以上に細く、崖が崩れているところもあり、オーバーハングしている崖も多々ある。そんな中で多数の車とすれ違う。譲り、譲られ、バックし、バック してもらい、何度も何度も頭を下げる。譲る必要がなく、ただすれ違っただけでも、条件反射で思わず頭を下げてしまうほど頭の下げ通し。まるで選挙のときの ようだ。
こんな道は暗くなってからは絶対通りたくない。

やっとすれ違いOKの現代らしい楽な道へ出たと思ったら、前方に現れた平家トンネルを避けるというししたろ。迷うことなくハンドルを切って旧道へ。

とことことことこ旧道は空いているかと思ったら、たぬきさんが前方で走っていた。 おうちに帰るのかとにかく脇目も降らずにとことこ、とことこ、車の前を走って行くんですよ。もちろん、追越なんて出来ない(笑。どこかで脇に避けてくれたらありがたいんですけどね。
子だぬきさん、こちらの気持が通じたのか、お家への近道があるのか、途中で藪の中に消えて行ってくれて、やっと普通に走ることができるようになった。

と思ったら、今度は虫!
川辺川の橋の上から写真を撮っていたら、羽の大きな虫がドアバイザーにへばりついていて、ずっと無賃乗車で着いてきた。このままじゃ道の駅まで一緒に来てしまう。ドアが開けられない、と困っていたら道の駅に到着する前に下車してくれた。

道の駅五木に到着やっと今夜の宿泊地に到着。距離はそうでもないのだろうけれど、疲労感の多い道だった。
今夜の宿泊は、お風呂もある子守唄の里五木
お風呂は併設されているのかと思っていたら、道路を挟んで少しばかり歩く場所にあった。
まずは道の駅を覗いて、小梅の梅干と名物らしい厚揚げの味噌漬けとよもぎパンを購入。車で移動してお風呂に入りに行く。日が傾いて気温は少し下がり始めていたが、阿蘇・久住ほど涼しくはない。
お客はほとんどいないようで、女風呂も先客がふたりいてひとり出るところだった。残っていたひとりの方は愛知から車中泊で来ているそうだ。
今日は露天風呂ないんですね、と聞かれた。
わたしもここに来たのは数十分ほど前なのでわからない(笑。
露天にはお湯が入っていないらしい。露天風呂を楽しみにしている人にとって、入ってから露天がないことを知るのはどうなんだろう。料金を割り引くとか、入る前に露天がないことを知らせて欲しい。
お風呂のスペースの半分が豪快な(音の)ジャグジーになっていて、音がうるさくて話が聞き取りにくい。ふたりともお風呂の中で思い切り大声で話していたはず。
ここの道の駅はどうして知ったんですか?と聞かれた。
一応事前に道の駅のある場所はいくつか調べて来ていたので、ここに道の駅があることはわかっていた。
その女性も調べてきていたらしい。確かにこの道の駅五木は通りすがりで寄るには近くになにもなさすぎるかもしれない。
女性はご主人と一緒に車旅をしてるらしいが、前日の道の駅で痛い目に遭ったと言っていた。宿泊しようと思った道の駅に19時頃到着したらレストランは閉まっていて、近くには食事が出来るような場所もなく往復2時間近くかけてスーパーに行って食事を調達したそうだ。今夜はレストランがまだ開いているから、これから食事をする、と言っていた。
昨日、往復2時間かかっても食事が揃えられただけラッキーだったと思う。最近は地方でも夜10時まで開いているような大型スーパーも出来てきた。でも、やっぱり2時間かけてもないところにはない。

友人が昔、海外からのともだちを連れて日本をまわっていた時のこと。
ユースホステルに予約をいれたとき「夕食はどうしますか」と聞かれ、「いりません」と言ってしまい、あとで大変な目に遭ったそうだ。
到着したユースホステルのまわりには食事ができるところも買うようなお店ももなかったらしい。
移動手段が車だったら買いにもでかけられたかもしれないけれど、そのとき友人たちは公共交通機関を利用した旅だった。
そして、その日の夕飯は持っていた果物を分け合って食べたそうだ。

我が家では、キャンプ場でも閉じ込められたときのことを考えて数日分の食材を車に積んでいる。 食べられないと、良い考えも浮かばないし、それだけで哀しくなるだろうから、パセ&ポプの分ももちろん含めて用意している。いざというとき、食べ物があるという安心感はかなり心強い。

明日女性たちは、今日わたしたちが通ってきた道を行くらしい。道がとっても細いですよ、と話す。

お風呂で大声を出すのは、少々疲れる。
少し移動してみると、電気風呂という一画があった。注意書きがいっぱい書かれている。そんなこわいお風呂には入りたくない。

車に戻り、道の駅へと向かう。もう辺りは薄暗くなっていた。道の駅から見える山の谷間に、夕陽が光っている。
五木の駐車場は第一がトイレにも近いけれど、道路沿い。建物をはさんで坂の上に段々畑のように第二、第三と駐車スペースがあるが、微妙に傾斜しているので車中泊できるスペースは限られている。そして、民家が近いので、ちょっと気兼ねしてしまうような場所でもある。

朝、出掛ける前にシュラフの中にフリースブランケットを入れてベッドメイクしてしまったけれど、暑いのでフリースを抜く。

パセ&ポプもわたしたちもごはんを終えると、ししたろはまたリアに移って「背中を伸ばすときもちいい~」、と言ったまま夢の中から戻らない人になっていた。

明日の宿泊にはどうかと思っているキャンプ場について携帯で調べる。九州はこれまで携帯(au)がほとんど使えていて、とても助かる。 キャンプ場の電話番号とコインランドリー、お風呂のことをメモして、わたしもぐっすり寝ているパセ&ポプの間に潜り込む。

今日は、広大・雄大な景色の中を走ったあと、狭い山道をくねくねと走り続けた。人生いろいろあって一生でバランスがとれるように思うけれど、今日は一日で山あり谷あり高原ありだった。パセ&ポプも、ししたろさんもお疲れさま…。

2009年4月30日のおおまかなルート 本日のルート。
約190km。

前半は快適、
後半は疲労。

どちらも思い出に強烈に残る道だった。

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