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お山に行こう 01

出発今年の夏は、早かった。

仕事が立て込んでいたからか、暑い日が少なかったからなのか、父が先に長旅に出てしまい出かけるに出かけられなかったせいか、9月の北への旅予定がフェリー会社の悪変で白紙になったからか、わたしたちのキャンプ禁断症状はいろんな理由を拾ってきて日を追うごとに悪化していた。
そして、8月も終わろうとしていた土曜日、突然いつものお山へ向かうことにした。

突然とは言いつつも、こうなることはどこかで予期していたのか3日前に期日前投票に行って投票は済ませていた。だから行くとなれば、すぐにキャンプの準備に取り掛かることができた。
載せたままのキャンプ道具を点呼し、パセ&ポプの冷凍保存しているごはん、ビールなどをクーラーバッグに詰め込み、水と着替えと本を持ち、その辺へ買い物へという普段着のまま車に乗り込んだ。
天気予報は確か夕方から朝まで雨。
翌日の日曜日も夕方から雨。
運が良ければ雨に煩わされることはないはず。

最近の週末の高速道路は、渋滞の話ばかりを聞く。
先々週あたり、我が家も一度はまりかけたことがあったけれど、回避して帰ってきたっけ。
今日はすでに渋滞とは無縁の時間帯。すいすいと快適に北上する。
出発前に連絡しておいた友人から、予定していた場所ではなく我が家が向かう場所に合流すると電話がかかってきた。

高速を降り、スーパーで買い物をして、いつもの野営地に向かう。
携帯は通じるはず、と思い込んでいた。以前いまどこもした記憶があったから…。
しかし、携帯が通じる場所ではなかった。
野営地への砂利道は大きく削られくぼんでいて、最後の野営地への道は茂みを入って行かなければならない。はじめてご招待した友人は夜中到着予定で、真っ暗闇の中を走ることになる。携帯で誘導することもできない。

アンテナを求めてさまよう今回はいつもの野営地で泊まることは諦め、別の野営場所と携帯の通じる場所を探すことにした。
今来た大きくえぐられた砂利道を再度引き返し、携帯が通じるか公衆電話があるだろうと思われる場所まで戻る。
あちこちで携帯を空にかざすも、アンテナは一本も立たない。結局公衆電話があると思っていた場所まで降りていくことになった。しかし、最後の頼みの綱だった公衆電話はそこにはなかった。

少しでも高い位置へ携帯をあげれば、と車の屋根に上る夫。
さっき展望台でわたしが試したけれど「空しい圏外」だったのに…。
と見上げていると、話し出した! うそ。
と思ったら、切れたらしい。
お、電話が鳴った! 出た。
と思ったら、やはり切れた。さっきから挨拶だけで切れている。
肝心なことが伝えられない。

もっと上へ、と違う開けた山へと向かうことにした。
確か去年うろうろしていたとき、電話がかかってきて受けた覚えがある場所へ。

走る車の中で、携帯の「圏外」文字に変化が現れないかずっとチェックする。
おぉ、1本、あ、圏外、あっ2本。停めて!
車から降りると再び圏外の文字。
おちょくられているのだろうか…。

1時間以上携帯のつながる場所を探している。
電話がつながったと思っていた場所はここではなかった。

高速を走っているとき「携帯がつながらなかったら今回はなかったことに」と一応伝えている。残念ながら今回は縁がなかったのかもしれない。
しかし、ある程度の目印は伝えてあるので、携帯がつながらなくても来る可能性もある。見つけやすい場所にわたしたちはテントを張る必要があった。

携帯が一瞬つながった場所にもどり、夫とそんな話をした。
夫が車から離れたとき、携帯が鳴った。
えっ、うそ。
驚いて携帯をとる、が切れている。
コールバックする。
驚くことに少しだけ会話が出来た。

人目につく野営わたしたちは普通人目につかないところを選んで野営する。
しかし、今日は夜中でもよくわかる場所に設営しなくてはならない(苦笑。

運良くそんな場所を見つけて、最近お世話になりっぱなしの小川のカーサイドリビングを設営する。

設営して30分ほどで、もうこのあたりは秋のつるべ落としなのかあたりは暗闇になり、山の麓にある小さな町の灯りが輝き始めた。

我々も夕ご飯にしよう。
パセ&ポプの冷凍ご飯を温め、私たちはキムチ鍋。日が暮れて10度代へと温度も下がってきた。なぜか設営したこの場所は携帯が通じ、これから家を出る友人に寒くないようにと伝えることもできた。アンテナを探し回ったのはいったいなんだったんだろうか(笑。

すぐそばのお店で購入したナスのお漬物をかじりながら、飲む。
夫はお鍋をつつき、大好きなから揚げもつついていた。

パセ&ポプと戯れて、選挙結果を心配しつつ、わたしはこっくりこっくり。
11時になる前に夫に促されて、D5の中に転がり込んで、中でくつろいでいたパセ&ポプにかわいい~っと声を上げたのを最後に、私は事切れた(らしい)。



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