麓まで降りると、そこはちらほらと民家があり、軒下にはまだ鮮やかなオレンジの柿がぶら下げられているいかにも里山の風景。
何軒も家はあるのに人影はない。
気を取り直して、綺麗な幅の広い道を行くと、通行止め出口。
まったく問題なく通行でき、ここから出ていく。
畑にも人の影なし。
ただ、畑の周りに「危険、電気が流れています」という看板とともに電線が張り巡らされていて、触れてもいないのにちょっとびびる。
もしパセ&ポプが触れてしまったら?とか、
こんな風に防御しているということは、いのししとかが突然現れる?とか。
クマも怖いけれど、いのししも怖い。
クマは一応人を怖がっているらしいから、こちらが「いる」ことを知らせてあげて防御することも多少は可能でしょう?
でも、いのししってどうなのかしら?
いきなり猪突猛進でやって来られたら、避けようがない気がするんです。パセ&ポプなんて吹っ飛ばされそう(+_+)
街中は車がこわいけれど、里では暴走イノシシが怖い、かな。
たわわに実った柿がおもそうになっている木の下で、ししたろさんとパセ&ポプの写真を撮ろうと思ったら、なぜか携帯カメラが変なことになってしまって…。しばし柿の木の下で悩み、携帯と格闘するわたし。その間、ししたろさんは消え、わたしに託されたパセ&ポプはうろうろ。
こんな画像になっちゃうの(泣。
ビジネスショットというモードになってしまっていたらしいんですけど、そんなの、そんなの、つかえねーっ。
今度は山に登って行く。
下ったからには上らないといけない。
細いくねくねとした道はいきなりの急勾配。バイクが一台、通行止めの標識を見てUターンしてきた。そして迂回路になっているわたしたちのいる道へ上って来た。わたしたちが道の脇に避けていると、軽く会釈してぼぼぼっと音を鳴らしながら楽々登って行ってあっという間に見えなくなった。
山菜を探しに来る人が多いのか、「強力な農薬を撒いています。山菜は取らないで下さい」という立て札があった。
なんだか哀しい光景。
一度も行ったことも見たこともないうちの山にも、山菜は出ているのかしら。
もし自分で管理していたら、こんな立て札を立てたくなるのかしら。
車なら楽々なのに、徒歩だと水平をとった場合、目の前が道になる。
パセ&ポプも急坂を小さな4本足でてけてけと上って行く。
そんな姿は健気でかわいくて、疲れを吹っ飛ばしてくれる。これはパセ&ポプばかなわたしたちにしか効果ないんだけれど(^^ゞ
道の傍らに咲いている小さな花を撮るふりして、ちょっとしゃがんで休憩。
あ、山登りしている方たちに花の撮影が多いのは「これ」かもしれない!と勝手に自分のへたれと同じだと勘違いするわたし。
ポプラは、木の枝を見つけてしばし疲れを誤魔化していたみたい。
持って帰りたがっていたけれど、自力で持てないものは置いてくるように諭したら、置いてきた。
一方パセリはどうかというと、まったく疲れを見せない。
3時間、下って上ってを繰り返して来て、なおがんがん歩く。やっとエンジンかかりましたよっていうくらい。
山の頂、稜線に出ると、突風が吹いてきて、一気に温度が下がった。
枯葉の洗礼も頭に頬に受ける。こんな民家に近くて舗装されている道の上でも、やっぱり寒いし痛い。
急坂を登ってきたので暑くなったから帽子を取ったのに、稜線に吹き荒れる風が頭に直撃して、頭の中まで寒風が吹きすぎていくようだった。
汗かいた頭は急激に冷えてしまう。
冷え切った頭にまた帽子を被って、ぬくぬく。
そうそう、この前流行のかわいいニット帽でも(お安いし♪)買おうかしらと手に取ったら、すけすけ~で風のとおりがとってもよさそうなものばかり。こんなんじゃ頭を守ってくれないわと置いてきたけれど、やっと理解できた。
今年の夏、暑い盛りにニット帽を被っている人をあちらこちらで見かけて「暑くないのかしら?」と不思議に思っていたけれど、風通しいいニット帽だったのね。
ここいくの?
ここ下るのはどお?
[り]きゃっか
さっき通った道と合流。
ここから出てきたってことを覚えているようで、ポプラは入って行こうとしていた。
パセリは稜線から裾を覗き込む。
そしてふたりともがさがさが大好き。
行きと帰りでは同じ道でも、同じ景色でも、時間が違うから、同じ場所とは思えない。
行きに遠く海を眺めた展望台のある場所に寄ることにした。
ベンチがあるのでそこで遅めのランチ。
食事をしていたら、上からぼとっと大きな音をさせて落ちてきた実。
枝とともに小さな実が何十粒もついた状態で目の前に落ちてきた。頭に落ちてきたらきっと悲鳴上げたわ。目の前に落ちたときも、ぎょっとしたもの。
ベンチはそのまま座るととおっても冷たいつくりのものだった。木製だったらよかったんだけど。
なぜかパセリがベンチに上がりたがったのでオールウェザーブランケットを敷く。
コットと思ったのかな。コットに上がれば地面より温かいってきっと思ったのかも。
上がってみても冷たかったらしく、しばらく足踏みしていた(笑。
そしてオールウェザーブランケットよりZシートがいいって乗っちゃうから、わたしの居場所は???
でも、やっぱりパセ&ポプが選択するように、Zシートはすんごくよかった!
パセ&ポプもチーズなどでエネルギー補給するとますます足取りが軽くなり、ラストスパートをかける。
遠くから見えていた山頂近くのスタート地点ももうすぐ。手を取り合って気合を入れる(笑。
終わりに近づくと少し淋しく感じたりする。
もう少し楽しみたいなぁって。
そうだ! ブルースハープを持ってきていたんだ。ひと吹きもしないのもなぁ、とおもむろにザックから取り出し、歩きながら吹いてみる。ダメだわ、やっぱり(笑。歌いながら歩くことは出来るけど、吹きながらはあまりおもしろくない。だいたい何を吹けばいいのかわからない(爆。
みんなで記念撮影(^^)v
ポプラだけちゃっかり入ってるけど(笑。
で、車まで戻ったところで、遠くから見えた山頂にある本殿らしき建造物へ行ってみることにした。
しかし、「もう少し楽しむ」どころか目の前に現れたのは長い長いたくさんの階段。しかも階段は右や左や前後に傾いているがたがたの段。
←いきなりトレイルランになるししたろ、パセ&ポプ
わたしはのたのた↑
パセ&ポプを連れてすたすた行くししたろ→
やっと階段が終わったと思ったら、そこはまだ本殿ではなく、まだまだ上があるじゃないの。
そこからも階段があったのだけど、今度は昔使われていただろう山道をよじ上っていくことに。よじ登るって言ったって、鎖があったりはしごあったりするような場所ではもちろんない。でも、わたしにとっては「よじ登る」。パセ&ポプと一緒のときはここまでかな、というくらいの場所。
だから、ほとんど写真はなし。
崖の上に建てられたような本殿にたどり着くとそこはどこよりも展望の良い場所。ここは西金砂神社。標高405m、806年に比叡山延暦寺を模して建てられたそうだ。
本殿裏にあった展望台は、ポプラだけじゃなくて、わたしも上るのを躊躇するような高さにあった。大体壊れそうな雰囲気で作られていたし…。
実際恐る恐る上がってみると、それはいかにも木造という模造品だとわかったけれど、わたしも怖く思ったのだからある意味成功しているのかしら。展望台の写真はなぜか一枚もない。
ここからも那須、日光連山、そして筑波まで眺めることができた。残念ながら富士山は見えなかったけれど見えるときもあるらしい。
そして、今度は階段を下って行く。
数えてみたら108段(多分)。
急な階段で、幅が狭く、波打っているので、高所恐怖症の気があるわたしは手すりをかなり頼りにした。
車に戻って、万歩計を見ると、17922歩。
距離は10.75km。標高差241m。
時間は、5時間10分くらい。
車に乗り込んだら、パセリは3列目でくるっ。
だから画像は2列目でくゆっとしていたポプラ^_^;
最後にいつか登ろうかと話している奥久慈の男体山を見に行き、帰途に着いた。
誰かが準備万端用意してくれたルートもいいけれど、自分たちで探すルートも楽しい。
観光名所もなにもないけど、我が家はあっても避けがちだから、それでいい。静かで、小さな発見がとっても嬉しい一日だった。
(※西金砂神社の田楽舞は国の選択芸能の指定、県の無形民族文化財として指定されている。銀杏、さわらの二本の巨木は天然記念物として県指定されているらしい。帰ってきてから知ったことだけど、もしかしたら名所なのかも(^^ゞ)
余談1—–
後方からサイレンを鳴らして近づいてくる車がいたので避けていたら、「渋滞」という電光掲示板を背負って路肩を走るハイウェイパトロール。
そんな車が渋滞を誘発している気もする。
「渋滞」のサインを光らせながらうちの車の前に入ると、すいすいと走り去っていったけど。なんだったのでしょう???
余談2—–
これ、今回のドライブ中もとっても重宝したもの。
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