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静かな秋里散策 03

神社脇の駐車スペースに車を駐める。
今日はGoLiteのDawn Seaを背負う。ほんとはししたろさんのザックだけど、このカラーもなかなかいいので借りちゃったもの。
中身は、ファーストエイドと、パセ&ポプのレインウエアと、水(わたしたち用とパセ&ポプ用)、てぬぐい、トイレセット(スコップとペーパーとビニール)、Zシート、笛、念のための熊よけ鈴、ライト、オールウェザーブランケット、ブルースハープ(ハーモニカ)、携帯、地図、ガーミン。あ、あと食べ物。他に、パセ&ポプの散歩セット、グローブ。
車から降りると風が冷たい。風を遮るものをアウターとして羽織ったけれど、日向はぽかぽかしているのに風が吹くと頬から一気に冷える。
手袋をしていないとパセ&ポプのリードを持つ手もかじかんでしまうくらい。
パセ&ポプはぐっすり寝てきたので行く気満々元気満々。

9時半、杉の木に囲まれている舗装された細い道を歩き始めた。

すぐに寄り道するのはししたろさん。
小高い場所に立っている鳥居とそこに書かれた立て札の文字「野宿」に興味をそそられて、すたたたと登って行く。
立て札に書かれていたのは「天下野宿」。
性と言うかなんというか、どうしても野宿という単語が目に入ってきてしまうし、天下という単語もそのまま目に飛び込んでくるから、「天下」と「野宿」で分けてしまったけれど、正しくは「天下野」と「宿」で区切るはず(苦笑。
天下野という町があるらしい。
帰ってきてから調べると「けがの」と読むこともわかった。

「今日は、この先の探検には行かないことにする」
ししたろは携帯に鳥居と立て札をおさめて戻ってきた。



小さな展望台があったので上って見る。ここは車を駐める場所がないので歩きじゃないと利用できない。木製の展望台は、数段の木の階段がやっぱりポプラにはダメなのねぇ。
強情にのぼりまちぇん、と頑張っちゃう。
那須連山、日光と一望できた。

またてけてけ歩いていると展望台! 今度は東側を展望できる。

太平洋がきらっと輝いて隅の方にのぞいていた。望遠鏡で覗くとはっきり見える。
犬吠埼、大洗マリンタワー、九十九里海岸まで見えるらしいけれど、望遠鏡で見えたのは、どこかの海だけ(笑)



パセ&ポプの背の高さだと展望案内図が邪魔になって「見えない~」と抱っこを催促。
ししたろさんに抱っこされて眼下に広がる景色を見ることが出来たら、とっても満足そうな顔をしていた。

枯葉で埋め尽くされている道を歩いて戻る。
パセリは小さいときから枯葉の道が大好きで、わざわざがさがささせて歩ける場所を選ぶ。
この展望台には車を停める場所がある。ちょうどわたしたちが車も通れる道に出たときやって来た一台の車とすれ違った。歩き始めて1時間ほど経過したときにはじめて見かけた車。男性ひとりの気ままなドライブって感じなのか、展望台へとするっと消えていった。
5分ほど歩くとまた車がやってきた。こちらはご夫婦でドライブという感じ。穏やかな天気だからドライブの人たちがこれからの時間は通るのかも、と少し予想が外れてしまったかと不安に思った瞬間。
しかし、心配はまったく杞憂に終わり、歩いている最中出会った車はこの2台のみ。あとは、歩いている人がひとりと犬さん一匹、オートバイが1台、というほんとに静かな一日になった。

わき道を見つけるとなぜか覗きに入りたくなってしまうようになったのは、ししたろさんの影響。
ずるずるずると道に引き込まれていく。
どこまで続いているのか、上り坂が続いている。ガーミンであわせて見ると、この道のカーブはきっと元の道へと出ていくだろうという角度。
道を発見したぞ!
と俄然足取りも軽くなってどんどん登っていく。
が、世の中そんなに甘くないのね。
登りつめたところでThe End。
道は終わって、先にはいけなくなっていた。

泣いている人もいるけれど、放っておきましょう(笑。
失敗は成功の元でもあるんだもん。


そう、最近やっとガーミンを使う気になって、これまでは宝の持ち腐れというか、使う機会がなかなかなく、飾り物にもなりゃしないっていう感じだったんだけれどねぇ。
放られていたのは何年かしら。3年くらい?
うれしいのは、持っている60CXsが現役だっていうこと。
Macなんて、すぐに現役を退ぞかされて、あれよあれよと言う間に気付けばすっかりオールドマックになってしまっているのに…。
ガーミン、あなたはエライ! これからはしっかり使ってあげますからね~♪
と今来た道を元気に戻っていく。

来た道を振り返ると、青空の下の山の中に小さく、出発地点の場所が見えた。
すっごく遠くまで来た感じになっているけれど、まだ1時間くらいしか歩いていない。。

しかし、もうおなかが空いてきちゃったわたし。
下見をしているので、休憩地点もこの先なくなるとわかっていた。車で立ち寄った展望台へ行って休憩することにする。
山腹にある前方後円墳のような展望公園。
11時前に日光・那須連山を遠くに眺めながら、休憩。
朝食で残ったおにぎりとランチのパン、パセ&ポプはチーズ。
さっきはあれほど遠くを見たいとせがんだのに、ここでは景色なんてどうでもいいらしく、おにぎりやパンの姿を追うばかり。
パセ&ポプもやっぱり歩くとおなかがすくのよねぇ。

おなかを満足させたら、出発。
食欲の秋はあっと言う間。枯葉踏んで秋を堪能する。
ちょくよくの あきはまだまだ かりはふみ by ぽ

またわき道発見。
しかも、今度は、その奥にツェルトまで発見!!
ししたろさんが調査に行っている間、わたしたちはその様子を遠めに眺めて待つことに。
だって、ちょっと怖いでしょ。
ししたろさんも1メートル以上離れたところまでは寄って行って、戻ってきた。
人の気配はなかったらしい。
遠目からでもずいぶん長いことそこに張られている様子なので、あまり近づいて見たくないもの見てしまったりしたら…とちょっとドキドキ。
最近のニュースのせいですね。
おそらく、なにか道具とか小さな資材とかを置いているのではないか、というのがししたろさんの見解。

次に出てきたわき道は、人もしくは獣?の踏み跡がある細い道。
枯葉のじゅうたんをがさがさ踏んで、ししたろ&パセリのあとをポプラと追ってゆく。
また戻るかもしれないけれど、ま、それもいいって感じになってきた。車ならいつでも何度でも道を間違ったっていいけれど、歩きはそのまま体力低下につながる気がしていた。でも、迷い道もいいものねぇという気になってきた。何年も歩く生活から遠ざかっていたからかもしれない。昔は歩いていて道にも迷ったもの。GPSなんてなかったから「勘」をずいぶん使っていたけれど、今は多分「勘」が退化してきている気がする。
使わないとだめよねぇ。

枯葉を踏みしめ踏みしめ、行く先を望むと、葉を落とした木々の間に光が何本も線を描いて入ってくる。

頂上タッチしてUターン。
こういう踏み跡も薄いところは戻れなくなることもありそう。
なんの目印もないし、これからはリボンも持たなくちゃいけないかしら。
ガーミンがしっかり動いてくれていればいいけれど、機械物はいつなんどき壊れるかもしれないし、長年ディジタルの仕事に関わってきたからこそ機械なんて信じていないし、やっぱりアナログよ~と思う。さっきの「勘」も休ませていてはいけないし。
ガーミンあるから大丈夫よ!なんて言いながら、リボンも用意しておこうかなと思う。
違う踏み跡の道を見つけて、同じ道を辿らずに舗装された林道に戻る。

そして、またてくてく。
驚いたことに、わたしたちが来た方からこの林道を犬さんと散歩している人がやってきた。驚いたというのは、それがとても日常的な様子で、普段のお散歩という感じだったから。
上下作業服のようないでたちのおじさんと日本犬のミックスのような犬さん。
わたしたちにはとても出せないようなすごく速いスピードで近づいて来て、わたしたちが脇に避けていると、のんびりした雰囲気で「こんにちは」という挨拶して、あっという間に下って行った。走ってはいなくて歩いているのに、速い。
どこからどこへお散歩しているのか、毎日なのか、そんなことを思いながら呆然と立ち尽くしていたわたしたち。
そして、この後人に会うこともなく、この日唯一お会いした人と犬さんだった。
後を追うわけではないけれど、わたしたちも山の麓へ向かっていく。
土砂崩れで通行止めになっている道も、歩きなら行って見られそうな「勘」で、車では下見していない道へ。

両側にそびえていた山がなくなり、目の前が広く開けたとき、ひらひらひらひらと黄金のようなきらきらが宙を舞っている光景に思わず足を停め、見とれてしまった。
まるで妖精が山から里に舞い降りていくみたいで。
風が吹いて木々にくっついていた葉がはらはらと放たれ、太陽の光を浴びて、それはとてもきれいな光を反射させている。

カメラを向けたけれど、自然のそんな一瞬は画像におさめるより自分の目で見て胸に刻みたいもの。って撮れなかった言い訳でもあるけど(笑。

これからわたしたちははるか下のほうに見える道へ向かう。
山にはゆずの木がたくさんあり、重そうに黄色い実をたくさんつけている。
ふと足元のポプラを見ると枯葉をごそごそさせてなにか食べてるっ!
「いやーっ」と引っ張って、何を食べていたのか確認したら、熟しきってつぶれた柿。

頭上を見上げるとそこには立派な柿の木。
熟して自然に落ちてきてつぶれたのだろう。
最近パセ&ポプは、実家でもらう柿が好物になっているようなので、枯葉の中にそれを見つけたポプラはきっと大喜びだったのね、きっと。

なかなか土砂崩れの場所が現れない。
もう少しで、麓に下りてしまう。
と、思ったら、竹薮がずり落ちている箇所が。
道を塞いでいるわけでもなく、竹が上滑りして土が露出しているところにブルーシートがかけられている。すぐに車で通行止めになっていた場所なので、きっとここが土砂崩れの現場のはず。
現状なら通行止めにする必要は感じられなのだけど、もっと崩れる危険があるっていうことなのかしら。



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