1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

佐渡の旅 03

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とりあえず二ツ亀へと走って行くが、ドンデン山荘辺りで一緒だったバイクが対向車線を戻ってきた。
戻って来るにはずいぶん早い。
私たちが山でパセ&ポプと戯れたり、ヤマグリを拾っていたからだろう。
しかし、戻ってきたということはやはり通行止めということなのか…。

二ツ亀案内に従って車をフィッシャーズホテルの駐車場に入れた。
二ツ亀へは車で行けないようだ。
どれくらい歩く事になるのか、まったく情報がない。
遊歩道がある、とは案内板に描かれているけれど…。
ホテルの人に聞けばなにか情報を得られるかも、と中に入るが、ひと一人いない。
受付にも売店にも、従業員も客もいなかった。
ちょっと自分たちだけでパセ&ポプが行けるかどうか様子を見にいって、というほど近くもないようだ。
パセリが途中で歩きたくないとなったら抱っこになるので、カートを出すことにした。
カートを出してパセリを乗せ、今到着した人たちが歩いて行った方について行く。
二つあるらしい道のひとつだった。
目の前に現れたのは長く下る階段の姿。
だめだ〜、ともうひとつの道へ。
こちらは階段ではないけれどかなりの急坂で、カートをしっかり押さえながら降りていく。カートがなかったら急坂とは思わないかもしれない。人はいろんな尺度を持っているんだな、と思う。

目の前に、こんもりと大小の亀がいるような島がどんと現れた。
海水の透明度は佐渡随一らしい。
海面まではまだまだ先があるが、この先は長い階段しかなかったので、私たちはここまでにした。
エメラルドブルーと紺碧のグラーデーションが広がる海が眼下に広がる。
人の姿も点になってちらほら見える。

私たちのいる場所はキャンプ場になっているらしく、コールマンのテントがひとつ立っていた。
ツーリングで来ているらしい人は撤収したあとらしく、荷物を置いてどこかへ出掛けている痕跡のものもあった。

平らな所は少ししかないけれど、この景色の中でキャンプできるのは感動もの。
パセ&ポプともに草をぱくぱく食むばかりなので早々に戻ることにした。
パセリが自力であがるのは時間がかかるのでカートに乗ってもらう。m(__)m
今度は長い急坂をカートを押す。
しかし、このカートやっぱりよかった。草地だって問題なく進んでくれる。

通行止めに向かってさて、また出発。
この先の通行止めはいったいどこでどうなっているのか。
このところ、「通行止めって書いてあったって、結構行けちゃうもの」と進んで行って、本気でその先進めない通行止めに当たったことが数回ある。なので、通行止めには少々敏感。

それでも、夫ししたろの言ういつもの「とりあえず行ってみよう」というひと言で先へと進んで行くことに。

手掘りのごつごつしたトンネルをくぐり抜けると、崖に足場を組んで大掛かりに作業している様子が見えた。
きっとこんな風に通行止めの所も作業中なんだろうね、と話ながら車はどこまでも青い海を見ながら進む。

海府大橋い くつ目かのトンネルを通り抜ると、セスナくらいなら下をくぐれるのではないかと思うくらい高い橋が出てきた。しかも単管で補強してあって土嚢が脇にずらっ と積まれている。この橋、大丈夫?
新しそうだけどものすごく不安を煽る状態。刺激しないようにそろりそろりとしかも足早に息を殺して駆け抜ける(車だけど)。
渡った先に車が一台停まっていた。橋の下を覗いているのだろうか。
帰ってから調べたらこの橋は「海府大橋」らしい。大橋というにはこじんまりしているけれ ど、高さがあるから「大」がついたのだろうか。そしてこの橋の下には「大ザレの滝」という車では行けない滝もあるらしい。
そんなことは何も知らずに進む私たち。
ホッとすると、眼下に静かで穏やかな海岸が広がった。
くねくねと下降しながら、今見えた海岸へと道はつながっているのだろう。
観光マップを見ていると、夫が「うわっ」と声をあげた。
何事か、と慌てて顔をあげると、目の前に滔々と流れ落ちている滝があった。
景色を分断するその白い光が突然現れて、崩れていると思ったのだそうだ。
なんの観光案内もないけれど。
この滝はなんというのだろう?と帰宅後調べてみるが見つからない。泊川滝なのかな?

大佐渡一周出来そう!そういえば、通行止めはどこ?
真更川辺りだった気がするけれど、定かではない。
とにかく、気付かないうちに過ぎているような気がする。

通れちゃった?
もしかしたら、佐渡一周出来る?
前方にさっき曲がったドンデン山荘への道を案内する標識が出てきた。
見覚えのある道。
どうやら通行止めは解除されたらしい。
バイクの人は気の毒なことに戻ってしまったのね。
もしかしたら、バイクの人が行ったときはまだ解除されていなかったのかもしれない。
とにかく、ラッキーボーイズ・パセ&ポプのおかげで、私たちは行けないかもと思った道をすいすいと通って来ることが出来てしまった。

大佐渡スカイラインそして、大佐渡スカイラインへ。
有名な金山があり、観光バスも向かっている。
火力発電所や製錬所跡

佐渡版画村にはちょっと覗いてみたかったけれど、そんなにゆっくりしている時間はない。

車を誘導する人まで立っている。
観光地みたいだ〜!

私たちは人工的観光地はあまり興味がないのでそのまま車のスピードを緩めることもなく通過。

金山のいくつもある駐車場を横目に進んで行くとピンクがかった岩山からごろごろと岩が崩落している場所があった。

スカイラインなのよね〜?と言いながら木立の中を上って行く。

眼下に尖閣湾木立が開けて、今日通ってきた尖閣湾が見えた。
山の上には電波塔やなにやらものものしい雰囲気の建物の姿も見える。

 

乙和池乙和池という小さな看板を発見。
もちろん、夫は見逃す訳がなく、すぐにハンドルを切り、両側がうっそうと茂っている狭い道へ入って行く。

突き当たりは車が3台くらいは停められるようなスペースがあり、看板が立っていた。
この先は緩やかな階段を上っていくらしい。草がぼうぼうで、足下は湿っているので、パセ&ポプは連れて行けない。夫だけが見に行ってきた。

神秘的な感じだったそうだ。
帰宅して、この池にまつわる話を読んだ。

池 の中央に日本最大の高原湿原性浮島をもち、あたりには200種類を超える植物が欝蒼と茂り、神秘的な雰囲気に包まれたところです。この池にはその名前の 由来となった伝説が残されています。その伝説によると、山のふもとの長福寺へ、ある日美しい娘が泊めてほしいとやってきたところ、和尚は気の毒に思って、 泊めてあげることにしました。どこから来たかは語りませんが、名は「おとわ」とだけ言いました。ある年の田植えの終わった頃、草の芽を採りに来たおとわ が、過って女人禁制の山近くまで来てしまい、あわてて山を下る途中、そこの小さい池で下着のすそを洗っていると、その池の主に見染められてしまいます。す ると、あっという間におとわの立っていたところを浮島の様に残して池は大きく広がっていき、池からは主の大蛇が現れ、おとわに自分の代わりにこの池の主に なるためにここにとどまれと言います。泣く泣く頼んで、一旦は帰してもらうことができましたが、3日後、おとわを呼ぶ主の声が聞こえ、おとわはとうとう池 の主になる決心をします。かごに乗って山へ向かう途中、ヒズメの音が遠くから聞こえてきたかと思うと、白馬にまたがった貴公子が現れ、おとわを前に乗せ、 もやの中に消えていきました。これが池の主の大蛇で、その日から7日間、山は霧に包まれ、7日目には大雨となり天地は暗く閉ざされました。村の人たちは、 この雨で池の主は天に昇り、おとわが代わって池の主にになったのだと言っています。今でも毎年7月23日の乙和の命日にはその霊を慰めるために「乙和池ま つり」がおこなわれています。(佐渡観光協会より)

 

展望台で深呼吸展望スペースがあったので、パセ&ポプと景色を堪能する。
さすが一大観光地の金山のそばとあって観光客もちらほらいて、車が入っては出て行く。
この展望台からは両津湾と加茂湖が一望出来た。

白雲台という「都市と農村漁村の地域間交流拠点施設」があって、テラスからは晴れていれば北アルプスを見ることも出来るって書かれているパンフレットが手元にあるのだけれど、その施設はどこにあったのか。

怪しい建物気になるのは隣の山の頂上にある巨大な白く四角い塗り壁のような物体。

あれは絶対怪しい施設だ。その隣の頂上にも怪しげな建造物がいくつも建っている。
佐渡という島の場所もあるから、きっと防衛に関係しているよね、などと誰でもが考える推理をする。

やっとスカイラインらしい道になってきたら、どーんとその白い建物が目の前に現れた。
なんか見張られているようなぞっとする感覚。

下って行くと、ここにあるじゃないの、白雲台。
いやしかし、それよりも私たちの興味は、鉄条網を張られ固く閉ざされた鉄の扉の向こう側。
近づいて行くと、やはり防衛省だった。
そして、これから下る道は防衛省の管理する道路だと言う。

佐渡分屯基地路面はコンクリートで細かく亀甲形の刻みが入っていて、音をたてながらタイヤが転がる。
これは何のため?
戦車でも上がれるようにしているんじゃないかなとは夫の談。

下ったところには航空自衛隊の佐渡分屯基地。
そしてところどころに赤い鳥小屋のようなボックスが。おそらく電話ボックス。

買い物をして一路借りのお家へ向かう平地に降りきって350号線にぶつかると、あとはお買い物をして貸別荘へ戻るだけ。
今日は昨日と違うマツヤに寄ってみることにした。
しかし、やはりチェーン店、置いてあるものはほぼ同じ。
関東で売られているものとほぼ変わらない産地の野菜。
お刺身も気持ちばかり置かれているだけ。
しかし、今日は佐渡名産と書かれた「なめぜ」と「ながも」も購入。
そして結局、今日もお鍋にすることにした。
パセ&ポプのごはんも同じような材料で作れるしね。
トビウオのすりみはとっても重宝する。これ、いいよ。

佐渡の夕焼け
貸別荘へ向かうときには空が赤く染まり始めていた。
水平線でくっきりと分かれる空と海。

ハードハウスは快適

ソフトハウス(テント)でもなく、車中泊でもなく、電気もガスもぽんと指一本で使える快適な家。

誰にも気遣う事なく(旅館やペンションなどは食事の時間などもあるから)、好きなときに食事して、好きなときにごろごろして、好きなときにお風呂に入れる快適さ。なんて幸せ♬

もちろん、テントや車中泊、ホテルも旅館もそれぞれとっても快適なときがある。

でも、今回はここを借りて良かった。

適当に食事を作り、適当に食べる。

そして、パセ&ポプもおなかいっぱいになってごろんとシンクロ睡眠グ。

明日は小佐渡巡りだよ〜。

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