1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

佐渡の旅 02

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佐渡二日目の朝9月24日 土曜日
こじんまりとした一軒家はなかなか快適。
小さなユニットバスにお湯を入れ、朝風呂でくつろぐ。

ダイニングの窓からは穏やかな海が見える。
そんな景色を眺めながら朝の珈琲。

今日は佐渡の北側を回る予定。
夫ししたろが行きたいというのはドンデン山。
ドンデン山を経由して北を廻るルートを考える。

のんびりと9時に出発した。

海に囲まれている佐渡、海水浴場になるような海岸など沢山あるのかと思っていたけれど、私たちが過ごしている辺りしかないのだそう。
その昔、隠岐の海を見て感動した。その蒼さが佐渡にも広がっていた。
青、蒼、碧と層をなしている海が目の前にある。

潮の香りがしないのはなぜだろう。

窓から眺める事が好きになったポプラポプラは窓から乗り出すように海を眺める。
パセリは、もうこれまで充分に見たのか、車に乗ると眠る。

パセリと戯れることが少なくなってしまったポプラがひとり窓の外を眺める。そんな様子に、ときどき潤っとしてしまう。
ポプラもパセリの変化に少しずつ順応してくれている。
パセリも出掛ける雰囲気になると、うろうろ、うろうろ、一緒に行くと慌てている。
みんないろんな変化に慣れていく。

 

海辺の、海岸に向かって立つ家は、竹で風よけを作っていた。
風の旅人という雑誌で日本海の厳しい冬の風から家を守る様子の写真が載っていて、その写真に釘付けになったことがある。
それとは少し違うけれど、目の前に似たような景色があった。

瓦が、ところどころ赤みがかった黒光りをしている。
田んぼは海に面しているところも多い。
黄金に輝く稲。

ホプラは今日左側に乗っている。ずっと海側。窓を開けてせがむので開けてあげるとシートベルトを思い切り引っ張って乗り出す。
パセリはまだ車の揺れで夢の中。

静かな観光案内所へ観光案内所という看板が目に入ったので、Uターンして入ってみた。
案内所の女性がおじさんと話し込んでいる。おじさんはどう見ても地元の方。
パンフレットを物色し、案内所の女性に話を聞きたくも、おじさんはおしゃべりをやめない。女性もやめない。
やっとおじさんが去って、女性に美味しい魚が買える場所を聞いてみた。
が、ここでも「スーパー」という答え。
地元の人たちも魚を買うのははスーパーだそうだ。観光みやげなら両津港に直売所があるからそこへ行っては?と言いつつも土日祝日はお休みらしい。なんとも商売気のない佐渡のみなさん。
それ以上聞くことは無かったのでお礼を行って立ち去ろうとすると、「あ」と言ってはパンフレットを見ながら、ここにもありますね。「あ」、ここは…と。書いてあることを読み上げてくれる。
きっと人が来ないのでしょう。
私たちはそれほど時間的に余裕があるわけではないので、早々に引き上げたい。けれど、なかなか放してくれなくて…(^◇^;)
そして、どこか福島の友人に雰囲気が似ていて、特に笑い方がそっくりなその女性とはゆっくりおしゃべりしていたい気持ちもあった。けれど、お礼を言ってなんとか出発。

海沿いを北へと走って行く。
観光案内所の女性が言っていた。
今の時期はみんな稲刈りで忙しいので個人の魚屋さんがあってもお店は閉めているだろう、と。
海岸にべったりくっついているような土地にも田んぼがある。そして、黄金色に輝いた稲を刈り取っている人たちが大勢いる。
あの中には魚屋さんもいるのだろう。

刈り取った稲はほとんどが天日干しのようだ。
本土では滅多に見かけない風景の気がするけれど…。
自然のままの木の棒を何段もくみ上げて、稲をかけている。
ガードレールを利用しているところもあって、ガードレールが蓑を着込んでいるように見えたところもある。

海の色が違う砂浜には人っ子一人いない。

深くえぐれている真野湾。
海や川で覗ける場所があると、どうしても覗きたい夫。
車を停めて、流木を拾ってきた。
パセ&ポプも佐渡の海を眺めるために車を降りる。
たくさんの種類の岩から出来ている海岸だった。
長手岬を過ぎると七浦海岸。

海中公園になっているこの海岸には夫婦岩というふたつの岩が立っている。
詳しい案内板はなにもない。

夫婦岩あれ? 私が記憶していた夫婦岩と違う。
ということは私は佐渡には来ていない! こっそり大爆笑。(^◇^;)

辺りの岩は溶岩のよう。

佐渡一周道はとても綺麗に舗装されている。

旧道を見つけるとそちらを使うのはいつものこと。脇道へと入って行く。

 

金山へ続く道への入り口だからか、相川はこれまで通って来た中でも栄えているようだ。
9月1日の佐渡市の人口は63,065人、世帯は24,870。
その中の相川にはどれくらいの方たちが生活しているのだろう。
地図で見るとそれなりに町の様相だけど、人も車も見かけない。
目に入ってくるのは稲刈りしている人ばかり。

車内のパセ&ポプ地名の看板が立っているのだけど『ここが○○です』という非常に違和感のある表現の看板ばかり。

翌日佐渡島の東側を廻ったとき、同じ標識は『ここは○○です』と通常(?)の書き方だった。佐渡島の東と西ではなにが違うのだろう。
大佐渡、小佐渡と言われるように、南北では違いがありそうだけど…。

交通安全の標語も変わっていた。

唯一メモしていたものは『スピード違反はスルメー』

佐渡はイカが一応名物らしい。一夜干しとか、観光案内所の女性がパンフレットを読んで教えてくれた。

尖閣湾佐渡には海水浴のできる砂浜は本当に少ない。
ずっと海際を走っていても岩ばかり。
でも、シュノーケリング出来そうな場所はいたるところにある。夫は楽しそうだ楽しそうだと連発していた。
「尖閣」というだけでなぜか物騒なイメージをしてしまう尖閣湾には、海中遊覧船がゆっくり進んでいる様子が遠くから見えた。

トンネルは高さ制限が3.3m。通れない場合はどうするのだろう?
脇には古い手掘りらしい小さなトンネルの姿が残っている。

民話のふるさとと言われている外海府から海を離れ、今日のメイン目的地ドンデン山へと入って行く。
県道81号線はドンデン山を経由して両津へと続く道だ。
右折してその道沿いに進むとすぐに脇に流れている川が目に入った。
ものすごい透明度! なんとまあ情けない表現しかできないのかと哀しくなるけれど、薄くグリーンがかった、これこそが本物!という水が流れている。

ドンデン山へそんな川沿いをぐんぐん登る。
道にはいつからか大きな獣の糞らしきものが目立つようになってきた。
なんの糞?
熊?
鹿ではないね。
その大きさからすれば、身体もかなり大きいはず。
だけど、熊がわざわざ道に出てきて用を足すだろうか。

「熊出没注意」という看板はひとつもない。

が、しかし、「タヌキ注意」とか「猿注意」という看板も今までひとつだって見ていない。
この辺りでは出没は当たり前だから立てないのか、それとも本当にいないのか…。
夫とふたりでうーむ、うーむと糞を発見しては首を傾げる。
そこに、視界の端で消えて行った看板が!
「牛」「放牧」という言葉が見えたような…。

牛なら納得。
いや、しかし、この車二台通れるかどうかの道に牛が歩いていたらどうすればいいの?

ドンデン山そんな楽しい(?)ことに悩みながら、海抜900mにあるドンデン山荘に到着した。
ここは宿泊施設にもなっている。
キャンプ場もある。
出発前に夫はキャンプができるか問合せしてした。
風が強く吹くし、その風はテントが吹っ飛ぶほどと言われたので、結局いろいろ考えた末、パセ&ポプ連れになると極端に軟弱になる私たちはやめたのだった。
実際にそのキャンプできる場所を見てみた。

確かに風が強い。

しかも地面はコンクリで固められているところもあり、ペグが打てない所もある。しかし遮るものがないため、目の前には函館山を思い出させるような景色がどーんと広がっていた。

 

佐渡はカタカナのエの字のようで縦のラインは平野になっている。ドンデン山から見えるのはその縦のラインとその端にある湾の両津港、加茂湖。
両津港から出たフェリーは穏やかで波ひとつない海を新潟に向かって進んで行く。

夫はここの山荘で、ドンデン山荘オリジナルのタオルを100円で購入した。

放牧場1放牧場2ドンデン周辺は、花図鑑のようにいろんな花が咲いている。
山荘から今度は下り始めると高原のような放牧場が広がった。
青い空と、繁るススキ、草はまだまだ青く、その草の中に、紫や白などの小さな小さな花が咲いている。
ふと目線をあげると、トンボが群れをなして飛んでくる。
もっと目を上げると、優雅にトンビが宙を舞っている。

再び草の中をじっと見つめていると、まだ生まれたばかりの小さなコオロギがいっぱいうごめいていてた。

まだ穂が開いていない、若くて柔軟性のない光の塊のようなススキが陽の光で輝いている。

下り(ドンデン山荘から両津へ向かう)道は、なかなか急な坂だった。

今日両津に着いたのか、どんどんバイクの人たちが上ってくる。
ドンデン山を下る 山栗拾い下りの道では山栗がいっぱい落ちていた。
夫は、見つけると車を降りて行く。

すっかり山を下り、海にぶつかった。
左折して北へと向かう。

地名案内の看板が、『ここは駒坂です』と「ここ”は”」に変わっていた。

二ッ亀に近づいて行くと、ナビに通行止めの情報が入った。

9/22〜土砂崩れのため通行止め。

それでは佐渡島一周ができないではないの!?

 

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