1997年からのお出かけレポです。時代により制作方法が違いお見苦しい、読みにくい箇所が多々あると思います。できる限り現代版に合わせるよう作業していますが、過去に頂いたコメント等が消えてしまうこともあります。ご容赦いただけたら幸いです。

那珂川ダウンリバー & 河原で野営03

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ある山の頂上で、木立から青空が抜けているふかふか地面の場所を見つけた。元キャンプ場らしい痕跡がある。

こんな急で細い坂も下る。なんとか入り込んだ先は作業場だったり、民家だったりする(苦笑)。



ナビにも地図にも載っていない道を進み、ある河原に近づいた。車を置き、河原へ降りていく。
誰もいない。
広い河原。
流木もある。
川を挟んだ反対側は山がそびえている。
車からは少し離れるが、ここに決定した。



車から最小限の荷物を運び、タイタンGTとスティングレーで我が家の宿が出来た。
今夜の寝床が出来たので、流木拾い。
パセ&ポプは広い河原をひとしきり走り回ると、まずポプラがテントに入る~とねだった。疲れたのかもしれない。シュラフにもほっとうずもれて満足そうにしている。パセリもしばらく探検すると、テントに入る~とメッシュをかりかりかり。きゃー、やめて~(>_<)
 
ぬくぬくとシュラフにくるまったパセ&ポプ。すうーっと大きな息を吐いて一足先に夢の中へ行ってしまった。

太陽が傾き、次第に河原は暗くなっていく。
焚き火はししたろがいい感じの熾きを作ってくれて、これから夜のお楽しみができた。
月が真正面の山の上から姿を現した。満月から少しかけた程度のまぶしいほどの月。太陽って直視できないけど月はじっと見つめていられる。見つめていると吸い寄せられるようで妖しい光でもある。マントルみたい。

あちこちから暗くなったという知らせをしているのか鳥たちが鳴く。夜のオーケストラが始まった。人工の音がないからか不協和音がない。どれもこれも妙にしっくりおさまっている。
ここにジェット機の音が入ると途端に崩れてしまう。しかし、どこに行っても空の上からはジェット機や戦闘機の音が聞こえてしまうのよね。
それと、鉄塔。電気のある生活をしているのだから仕方ないけれど、至るところに立っている鉄塔も異様だ。

焚き火の火を構いながらビールを飲む。テントの中からパセ&ポプの寝息が聞こえてくるようだった。

久しぶりの家族キャンプの気がする。仲間とわいわいのキャンプもいいけど、たまにはこういうのもいい。
はじめてししたろとキャンプに行ったときのことを思いだした。
キャンプ場もクローズする寸前の寒い時期。まだパセリも、当たり前だけどポプラもいなかった。いつかパセリと暮らそうと思っていて、それまでのお供にぬいぐるみを連れていた。旅する「くま」。いろんなところに連れて行ったっけ。(こんな話を知っている人がいたらすごいなぁ。パセリを迎える前のサイトで書いていたことだもの)
そうそう、キャンプは至ってシンプルだった。なにもしない。ただひたすら空気や音を感じていた。あのときのキャンプはとても鮮明に覚えている。同じキャンプ場に他に2組いたけれど、どちらも立派なキャンプをしていた。
お料理も道具もたくさん並び豪華そうだった。
今回撮影のために、これぞまさしくオートキャンプ的なキャンプをしたけれど、出発点も行きつくところシンプルなキャンプだと改めて思う。
はじめてキャンプする場合は、日常とあまりにギャップがあると敷居が高いのかもしれない。だから、撮影のときのようなキャンプスタイルが入りやすいと思う。しかも犬連れだと心配もなおさらだものね。

そういえば撮影中、犬連れキャンプというテーマなのにキャンプの裏技的なことに興味を持ってしまって、カメラマンさんにこれも撮って撮ってとお願いしていた編集のFさんがいた。「なんかワンコのためというよりキャンプの裏技になってきちゃったなぁ(笑)」と笑っていたっけ。
以前も話しているのだけど、いつか仕事抜きでキャンプに行ってみたい方である。カメラマンさんも面白い経験をお持ちで、これまたチャンスがあったらご一緒したい。そういえば、以前の車の撮影でご一緒したカメラマンさんもご一緒しましょーと言いながら何年も経ってしまった。

月明かりの下、焚き火を構っていると、日頃思い出しても今はとりあえずと引き出しに閉まってしまうこととじっくり向き合える。

やけに騒がしい鳥が川の上を行ったり来たりしてわめいていく。さながらおしゃべりなおばちゃん。あっちでぴーちく、こっちでぱーちく。

ごはんのためにテントから出てきたパセ&ポプは、闇の中で鳴いている声に興味深々で首をかしげながら山の方を眺めていた。
きっと五感をフルに使っているのだろう。
いっぱい遊んでいっぱい食べて、ぐっすり眠る。今日はパセ&ポプもわたしたちもほとんど一緒。犬も人も同じことしている気がする。普段人は生活のための時間が多いもんね。
焚き火でがんがんに沸かしたお湯で、ホット梅酒を作る。
月はわたしたちを右側から照らしていた。

ほろ酔い加減になった頃、パセ&ポプと一緒にシュラフにもぐりこんだ。そして、テントの薄いシートで月明かりを感じつつ、すぐに深い眠りに落ちて行った。

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